「わざわざありがとね」。投げ捨てたように言った「ありがとう」。小学5年生の時でした。反抗期で、親が言うこと全部にイライラする時期でした。お母さんに給食袋をとどけてもらったとき、私はこう言ってさっさと教室に戻ったのです。お母さんのさみしそうな顔は今もおぼえています。
 今思い返せば、なぜあんなふうに言ってしまったんだろうと後悔しています。本当に感謝をこめて「わざわざありがとね」と言ったのなら、こんな気持ちにならなかったのに。
 この失敗から、私は言葉一つ一つを大事にしようと思いました。同じ言葉でも違う意味になる言葉はとくに気をつけたいです。たとえば「ごめんね」です。真剣な顔で「ごめんね」と言うと心を許してくれる人もいるかもしれません。ですが、笑いながら、またはふざけながら言うと、だれも許してくれません。もう後悔したくないから、気をつけていきたいと思います。