<四季の実践>15*記事切り抜いて作品に*池田圭子(音更町立南中音更小教諭)
掲載日:2017.10.30
新聞を活用した授業は難しいものです。その中で「新聞切り抜き作品」は小学生が新聞に興味を持ち、読むきっかけになります。
《1》テーマを決め、記事を集める
学校で学んだことや、自分の趣味や関心のあることから考えます。

3年生の真柄胡幸(まがら・こゆき)さんの作品です。自分の好きな動物の記事を集め「動物園」としました。記事ごとにコメントを付け、左上と中央にまとめを書きました。同じ日の複数の新聞にパンダの「シャンシャン」を見つけて切り抜き、見出しが違うと印象が異なることに気づきました
《2》レイアウト
記事を台紙上で分類・整理します。その上で、自分の考えが伝わりやすいように記事のまとまりを作ったり、関連記事を隣同士にするなど工夫し、再構成して台紙に貼っていきます。
《3》見出し付け
テーマに合わせ、いちばん言いたいことを8~10字程度で表します。見出しは単なるタイトルにならないようにします。
《4》コメントとまとめ
各記事に付けるコメントは、初めて知ったこと、驚いたこと、「なるほど」と分かったこと、「なぜ」と不思議に思ったことを意識して書かせます。まとめとして、記事を読んで考えたことや人に伝えたい自分の考えを書きます。作品が完成したら全員の前で発表し、意見交換をします。
<ひとこと>
「新聞切り抜き作品」は、記事を使って自分の考えをまとめた新聞ともいえ、素材となる新聞に幅広く目を通すことが必要です。記事を再構成することで、記事を多様な観点で読み解き、判断する力を育てます。
自分が決めたテーマによる作品作りとまとめ、発表、意見交流は、「主体的・対話的で深い学び」の視点での授業改善につながるのではないでしょうか。
新聞には情報がたくさん詰まっています。情報を自分で選択する力は、今日の社会情勢の中で大切です。新聞切り抜きを続けていくことで、情報を取捨選択する力を養うことができます。(いけだ・けいこ=NIEアドバイザー)