<四季の実践>10*投稿で作文嫌いを克服*冨樫忠浩(安平町立早来小教諭)
掲載日:2017.03.27
いつの時代も、作文が嫌いな子は少なくありません。何を書いたらよいか分からない、長い文章を書くのがつらいとの理由が多いようです。新聞の投稿なら手頃な長さで負担が少なく、短い時間で取り組めます。学校と違う社会に触れる体験であるのも魅力です。
《1》投稿欄を読む
新聞投稿に初めて挑戦する際は、お目当ての投稿欄の切り抜きを何枚か選び、授業で紹介します。子どもに音読などでイメージを持たせたら「これに投稿しよう」と意欲が出てきます。
《2》書く要素をメモする
作文に必要な要素をメモに書かせます。たとえば「題材」「主題」「行動」「心情」「会話」「変容」「抱負」などの見出し(抽象)を考え、次にそれぞれの詳細(具体)を書きます。
《3》構成を考える
作文に書く順番を考え、メモの要素に番号を付けさせます。次に、作文を書くように、自分のメモを順番に見て読み上げさせます。
《4》投稿文を書く
自分が読み上げた内容を思い出し、メモを見ながら原稿用紙に投稿文を書きます。書いた文章は子ども同士で読み合わせます。
<ひとこと>
授業で作文を書く時は修学旅行のようなテーマを決め、普通、原稿用紙2枚(800字)を目標にします。一方、新聞投稿だと400字以内といった手頃な長さの短作文です。子どもが取り組みやすく、休み時間も活用できます。テーマのない自由な題材の投稿欄もあり、「書きたい時に書きたいもの」を書けます。
また「新聞社の担当者に読んでもらう」「多くの読者に読んでもらう」との明確な目的を持てます。「読んだよ」という周囲の反響は子どもには貴重な体験で、大きな励みになります。
北海道新聞の小中高生投稿欄「みらい君の広場」(3月から「ぶんぶんtime」)の取り組みを紹介しましたが、他の新聞にも同様のコーナーがあります。(とがし・ただひろ)