北海道NIE推進協議会の2022年度総会(菊池安吉会長)が14日、札幌市内で開催され、道内でNIE活動をサポートする日本新聞協会の新しいNIEアドバイザー2人が報告された。退任するのはフェローも含め5人で、道内の教育現場でNIEを推進する新しい態勢は14人になる。また、21年度の実践指定校38校から選ぶ、優れた活動を行った小中高3校の表彰も行われ、各校の代表が取り組みを発表した。(森田一志)

 新アドバイザーには根室管内別海町立上西春別中学校校長の根本渉さん(56)と日高管内新ひだか町立三石中学校教諭の川上知子さん(40)が選ばれた。
 根本さんは中学社会科教諭として新聞活用を始め、町教委勤務時に、全小中学生が月1回、新聞で学ぶ「別海町新聞の日」制定に尽力した。「NIEは学びの土台を築くだけでなく、良い市民の育成につながる。皆さんと力を合わせて取り組みたい」と抱負を語る。
 川上さんは前任校の地理の公開授業で京都の景観条例を扱った際、地元紙を教材に使ったのがNIEの原点だ。昨年の全国大会札幌大会で実践発表した。現在は日高NIE研究会の事務局長。「NIEの良さを広めていきたい」と話している。

*ネットと違う長所/掲載が自信に*退任者たち

 北海道NIE推進協議会には日本新聞協会のNIEアドバイザーのほか、アドバイザー経験者から独自に委嘱するフェローが所属する。退任する5人の内訳はアドバイザー3人、フェロー2人。昨年のNIE全国大会札幌大会の分科会を支えた。このうち4人にNIE実践の思い出などを聞いた。

 フェローを務めた高瀬敏樹さんは市立札幌旭丘高校で情報の教科を担当し、アドバイザー歴8年を含め11年在籍した。同高新聞局の顧問も務めた。「新聞活用のメリットを発信し、実践例やデータベースの有用性を発言してきました」と振り返り「『生きた教材』を作り出せるので宝探しゲームだと思って楽しんでください」と後続者に託す。

 同じくフェローだった中原英雄さん=釧路市立清明小学校校長=は「もう少し若い教師が新聞を読んでくれれば」という。一方で子どもが学んだことをタブレット端末の記事で閲覧できるデジタル環境の整備も必要だとする。以前、担任クラスの児童が作文を投稿し、新聞に多く掲載されたことが「子どもの自信につながった」。今春まで根室教育局の義務教育指導監としてNIE実践の助言もしてきた。

 「新聞の一覧性・地域性などネットと異なる長所を知って『良いとこ取り』をしてほしい」。アドバイザーだった飯田雄士さん=根室管内標津中学校校長=は推奨する。校内の新聞閲覧台に「読んでほしい記事」を置くなど実践に努める。2009年の標津中時代、教え子たちが全道中学校かべ新聞コンクール大賞に輝いたことが良き思い出だ。

 小樽市立潮見台中学校校長の高橋恒雄さんは8年間、アドバイザーを務めた。記事を用いて主に時事川柳から教え、その後、学校の教育プログラムとして朝の「NIEタイム」を実践してきた。図書館司書らの力を得て裾野を広げた。「NIEは難しくない。肩肘張らずにいいんだ」と手ほどきしてきたという。