NIE全国大会札幌大会の8月オンライン開催に向け、各分科会のビデオ収録が、各学校で進んでいる。公開授業や実践発表の研究を積み重ねてきた教諭たちは、自分たちの手法で新聞を使った成果を全国にオンデマンドで発信する。(森田一志)

 子どもたちが参加する公開授業の収録が16日、札幌・真駒内中で行われた。山田耕平教諭=日本新聞協会NIEアドバイザー=は、2年生約40人が学ぶ社会科で「北海道の観光業の発展に向けた必要なこととは」を課題にした。
 野生動物に餌を与えることを禁じ、30万円以下の罰金を科す自然公園法改正案を取り上げた2月の記事を参考に生徒に罰金への賛否を問いかける。生徒は、観光客と自治体の双方に「北海道の自然が好きで動物を守りたい」という共通の思いが高まっているとした。

道内観光の持続可能な発展について授業を進めた真駒内中の山田耕平教諭

道内観光の持続可能な発展について授業を進めた真駒内中の山田耕平教諭

 山田さんは道内観光の持続可能な発展には「自然環境と観光との両立を目指すエコツーリズムの視点が必要だ」と指摘した。生徒は感想を書いたワークシートを交換して交流を深めた。
 札幌・あやめ野中では1年の道徳で近野秀樹教諭が「生命の尊さ」を主題に収録の授業を行い、医師志望の高校生が大学病院で心臓移植の手術を見学した記事を使った。命の重さを多角的に伝える生徒の姿に近野さんは「骨太の教材。考えたいことを考えるのが道徳の授業です」と語る。
 一方、実践発表では富良野・扇山小の伊藤静香教諭が複式学級のある前任校の事例を「小規模校のNIE」として話す。新聞制作でインタビューによる発信力を必要な学びと位置づけ「発表に協力いただいた方々は『足を運ぶのは無理だったけど、大会はオンラインだったら見られる。楽しみ』と言ってくれます」。
 釧路・青陵中の柳沢脩介教諭は2年生社会科で道内観光のツアープランづくりを行うよう指導した。三十数人がグループで新聞とインターネットの両方で観光情報を集めた。「新聞記事には他の媒体にない魅力がたくさんあり、今後も活用したい」と述べた。
 高辻清敏・北海道NIE推進協議会前会長は「食や炭鉄港などの地域教材は道外のNIE関係者の関心を集める。オンライン開催に『残念』という声があるが、全国発信の記録として残り効果は大きい」と意義を話す。