<公開授業>

*小学・国語*資料生かし文を書く*札幌・桑園小 夏井彩教諭(28)

 環境問題を考えるために児童は資料付きの意見文「桑園SDGsポスター」を作る。ただ、集めた資料から、どんな資料を使うべきかが児童には悩みという。
 この学びを深めるのが5年生国語の「資料を用いた文章の効果を考え、それをいかして書こう」。本時の授業の教材には北海道新聞の記事「チカホ開通10年」を選んだ。JR札幌駅と大通地区を結ぶ地下歩行空間(チカホ)の歩行者数などの推移も書かれ、夏井さんは「身近で記者の主張が分かりやすかった」と理由を述べる。新聞で新しい見方や考え方を学ぶことに意欲的だ。

札幌・桑園小 夏井彩教諭

 

*小学・社会*地域と歴史の関わり*札幌・中央小 中里彰吾教諭(33)

 6年生社会科の歴史編「武士の世の中へ」で児童は源頼朝が鎌倉幕府を開くなど武家政治を学ぶ。それに合わせ鎌倉時代以降のアイヌ民族の歴史、中でも交易の広がりを紹介する。
 近年、遺跡発掘などでアイヌ民族が北東アジアを拠点に交易していた歴史が知られてきた。サハリンのアイヌの人々が当時のモンゴルから攻撃を受けた。北海道新聞の年表や地図などを使った記事を活用。児童が多角的な見方や考え方から思考することにつながるという。
 中里さんは「地域の歴史に触れることで北海道についての誇りや愛着を持ってほしい」。

札幌・中央小 中里彰吾教諭

 

*小学・道徳*オリパラ 理解深める*札幌・栄南小 上野裕子教諭(35)

 4年生道徳の「目標に向かって」で学ぶ元パラリンピアン(走り幅跳び)谷真海(まみ)さんの活躍を通し、夢を大切にして努力する子どもたちを育てたいという。
 谷さんは大学時代、病気で右足を失い義足で3大会連続パラリンピックに出場。苦しむ時に母の言葉に支えられたという朝日新聞デジタルの記事を児童に示し「さまざまな人の支えがあるからこそ頑張れる」ことを気づいてもらう。
 同校は札幌市の「オリパラ研究推進校」。調べ学習で記事のスクラップブックも作る。上野さんは「オリパラに対しての理解を深めたい」。

札幌・栄南小 上野裕子教諭

 

*中学・国語*説得力ある文章とは*札幌・真栄中 遠藤翔太教諭(32)

 説得力ある文章を書くにはどう工夫すべきか。1年生国語の授業で生徒約30人に記事を読み解かせ、取材法や書き方を調べてもらう。
 記事は三つ。デジタル教科書導入を巡る専門家の意見、将来のメディアは「デジタルか紙か」をテーマに募った読者の意見、ICT(情報通信技術)が進む学校現場の報告だ。生徒は記者や編集者が読者の信頼をつかむためのアイデアを班ごとに論じ発表する。
 遠藤さんは4月から、新聞に不慣れな生徒に新聞を読む時間を授業で設ける。「結論から入る文章が多く具体例も分かりやすい」と話す。

札幌・真栄中 遠藤翔太教諭

 

*中学・社会*持続可能な観光模索*札幌・真駒内中 山田耕平教諭(43)

 2年生約40人に対する社会科地理の公開授業では「北国の自然を生かした観光業」をテーマに観光業の持続可能な発展に向けて必要なことを学ぶ。
 観光業は道内各地で盛んになったが、その一方で止まらない人口の札幌一極集中などの問題が残る。北海道新聞などの記事を活用し解のない問題に向き合い、じっくりと解決力を養う。日本新聞協会のNIEアドバイザー2年目で、授業で新聞コラムを読む実践などを行ってきた。山田さんは「問いの宝庫の記事を通して主体的・協同的に学ぶ子どもを育てたい」。

札幌・真駒内中 山田耕平教諭

 

*中学・道徳*医療現場 生徒目線で*札幌・あやめ野中 近野秀樹教諭(40)

 1年生の道徳「生命の尊さ」について考えを深めることを授業の目標にする。医師を目指す首都圏などの高校生が大阪大学の病院で心臓移植手術の見学をした。これを取り上げた読売新聞の「高校生 医療現場へ」の記事を使う。
 この記事を近野さんが選んだのは高校生目線で取材された命のリレーの記事だからという。中学生にも自己の生き方を決めるきっかけにしてほしいと願う。
 近野さんは「コロナ禍の時代だからこそ、子どもたちの心を元気にする道徳科の良さと新聞の魅力が伝われば」と抱負を述べる。

札幌・あやめ野中 近野秀樹教諭

 

*高校・探究学習*「解」探り記事も参照*札幌南高 志田淳哉教諭(49)

 探究は課題を自ら設け、「解」を目指す学び。南高ではテーマ設定が重視され、情報収集し選定する。社会問題や興味関心のある研究などをグループで熟議し、解のない問い、解が一つではない問いに挑戦し続ける忍耐力を身に付ける。3年間で約100単位を履修。新聞も情報収集ツールの一つだ。3年生の複数のグループが学びの集大成として全国大会で発表する。
 志田さんは同僚の長尾良平さん、田畑広樹さんと探究学習の導入を進め、現3年生は田畑さんが1年から指導してきた。志田さんは「大学での学びにつなげてほしい」。

札幌南高 志田淳哉教諭

 

*高校・情報*スマホのルール問う*恵庭北高 桶雄一教諭(51)

 情報科の「インターネットを利用したサービス」を学ぶ2年生約40人が、スマートフォンの利用ルールについて考えを深める。使う新聞記事は《1》自治体の呼びかけで夜、親が預かることになった事例《2》家庭内ルールが子どもに徹底されないという調査内容《3》予想される具体的なトラブルとその対策法―の三つ。
 記事から保護者がなぜルールを求めるのか、自分が保護者となったら何を守らせるべきかを生徒に問う。桶さんは「親と自分の考えの違いに気づき、『自律』して客観的な思考で行動する一歩にしてほしい」。

恵庭北高 桶雄一教諭

*8月16日 hitaruで全体会*基調講演やパネル討論

 オンライン開催になった第26回NIE全国大会札幌大会は8月16日、札幌文化芸術劇場(hitaru)で行われる全体会の開会式、基調講演、パネルディスカッションがライブ配信のほか、終了後にオンデマンド配信される。
 ノンフィクション作家梯久美子さんが「歴史と出会う――新聞という回路」と題し講演。続くパネルディスカッションでは家庭、学校、地域の代表7人が参加する。来春、札幌市内に小学校を開校するプロ野球北海道日本ハムファイターズの元選手、田中賢介さんも登壇する。