日本新聞協会主催の第26回NIE全国大会が8月16、17日に札幌文化芸術劇場hitaru(ヒタル)、北海道大学高等教育推進機構で開催される。大会まで5カ月を切ったが、高校生にも多くの活躍の場が広がっている。初日の開会式の司会は札幌北、札幌日大両校の放送局員が務める。パネルディスカッションでは多彩な顔ぶれに交じり札幌藻岩高の図書局員も討論に参加。札幌啓成、札幌旭丘の新聞局員は初日を共同取材し、記念新聞を配布する。一方、大会ロゴを考案した江別高生はこの春卒業するが、ロゴはシンボルとして大会を盛り上げている。

*記念紙発行の新聞局*他校の技術学ぶ機会に

NIE全国大会札幌大会で記念新聞を発行する札幌啓成高新聞局の村上戒彗さん、富山菜結希さん、後藤夏樹さん、高田有彩さん

NIE全国大会札幌大会で記念新聞を発行する札幌啓成高新聞局の村上戒彗さん、富山菜結希さん、後藤夏樹さん、高田有彩さん

札幌旭丘高新聞局の菅原ひまりさん、権瓶春菜さん、吉田由樹伯さん(いずれも左から)

札幌旭丘高新聞局の菅原ひまりさん、権瓶春菜さん、吉田由樹伯さん(いずれも左から)

 大会の様子を伝える新聞発行は、札幌啓成高、札幌旭丘高の両新聞局員が担当する。「全国の人に読まれるので、緊張する」と言いながらも、「貴重な経験。いろいろと新聞作りを学びたい」と意欲的だ。
 両校の活動は活発で、道高文連の全道高校新聞コンクール入賞も多い。啓成高からは後藤夏樹さん、村上戒彗(かいえ)さん、富山菜結希さん、高田有彩さんの4人、旭丘高からは吉田由樹伯(ゆきのり)さん、権瓶(ごんぺい)春菜さん、菅原ひまりさんの3人が参加する。7人は1年生。2月上旬、初めて顔を合わせた。
 新聞は大会初日に発行する。札幌文化芸術劇場(ヒタル)で行われる開会式、基調講演、パネルディスカッションや会場内に設けられる各種展示コーナーなどを取材する予定。
 旭丘高の菅原さんは、全国大会の経験を通じて「新聞制作の技術を向上させたい」と声を弾ませる。他の局員も「記事の執筆や紙面レイアウト、見出しの付け方などを勉強したい」と話す。作業は両校共同で行う。啓成高の富山さんは「他校の新聞作りを学ぶいい機会になる」と、普段と違うメンバーでの活動を楽しみにしている。
 本年度は、新型コロナウイルスの感染で両校とも活動が制限され、先輩からの技術継承や新聞発行も十分できなかった。大会の経験をバネにスキルアップを目指している。(坂本尚之)

*ロゴデザイン*進路考えるきっかけに

大会ロゴを考案した今井優笑さん

大会ロゴを考案した今井優笑さん

 大会ロゴをデザインした江別高3年の今井優笑(ゆえ)さんは「自分の進路を考えるいいきっかけとなった」と振り返る。4月からは札幌市内の大学に進学し美術課程でイラストを学ぶ。
 記事を虫眼鏡姿で読むロゴのキャラクターは、新型コロナウイルス感染で一斉休校となった昨年、買ったばかりのタブレット端末で初めて作成した。
 それ以降「イラストの基本を積極的に学びたい」との思いがさらに強まった。志望大学への進学も早々に決まり、この春高校を卒業。「今まで触れてこなかった日本画や彫刻などに幅広く挑戦したい」
 新聞は以前、天気欄を見るくらいだったが、最近は身近に感じられ、さらにロゴにも愛着がわく。「でも全国の人に見られることは正直まだまだ恥ずかしいんです」(見方亜紀子)

*放送局員が司会*若い世代の元気伝えたい

司会を務める高2コンビの古崎可純さん(左)と山田涼平さん

司会を務める高2コンビの古崎可純さん(左)と山田涼平さん

 開会式で司会を務めるのが高校放送局のアナウンサー2人。札幌北高2年の古崎可純さんと札幌日大高2年の山田涼平さんは、放送と新聞の共通点は「伝えたいことを分かりやすく伝えること」と話し、全国大会へ意気込む。
 昨年11月に録音審査で開催された高文連放送コンテストのアナウンス部門で古崎さんは道内1位、山田さんは7位(男子1位)になった。ともに友人を取材し原稿にまとめ、最長1分半の時間の中で音読した。
 古崎さんは以前取り上げた話題を練り直し、宇宙開発事業を将来目指す友人を具体的に書き込んだ。「自分で理解し、だれでも分かるようゆっくりと伝える」を目標にした。現アナウンス部長。小学生時代は道新こども新聞「週刊まなぶん」の愛読者だった。
 原稿にこだわるのはアナウンスチーフ山田さんも同じ。取材では5W1Hを意識し、文脈の流れを推敲(すいこう)する。音楽活動に励む友人を取り上げた今回は「知らない人がいるのが、もったいない話題。締めに『世界に発信』の言葉を入れて良くなった」。ただ、新聞は苦手。「小さい文字は読むのに時間がかかりそう」
 古崎さんは全国大会について「若い世代も頑張っていると全国の人に元気を伝えられたらうれしい」。(森田一志)

*パネル討論参加*図書局の経験生かし発言を

パネル討論に参加する為国結菜さん(左)と浜田亮太さん

パネル討論に参加する為国結菜さん(左)と浜田亮太さん

 大会初日に行われるパネル討論には、札幌藻岩高の図書局員でともに1年生の為国(ためくに)結菜さんと浜田亮太さんが、ほかのパネリスト5人と一緒に登壇する。二人は大舞台に緊張しつつも期待を膨らませている。
 新聞の投稿文のコーナーをよく読むという為国さんは7月に次期局長に就任予定。「参加打診はすごくうれしい。なかなかできない経験なので、うまく答えられるか不安もあるけれど楽しみ」と意気込む。浜田さんは参加に自ら手を挙げた。「『全国大会』という言葉が新鮮だった」と笑顔で語る。
 討論は大会スローガン「新しい学びを創るNIE~家庭、教室、地域をむすぶ~」をテーマに行われる。図書局局員は1、2年生9人。主に本の整理整頓や貸し出しが活動の中心だが、季節ごとにカウンター周りを装飾するなど来館者を楽しませる工夫も凝らす。そうした経験も生かしながら二人は大会について詳しく調べたり、新聞を読む時間を増やしたりするなど準備をして臨みたいと話す。
 討論で一緒に登壇する同局顧問の古畑理絵教諭は、「大会では率直な発言をして、『高校生らしさ』や『自分たちらしさ』を出していけばいい」と話す。(菊地由希)