事件事故の報道で被害者は実名、あるいは匿名のどちらが望ましいか―。北海道NIE研究会の授業検討会が昨年12月4日、札幌市内などから参加し、オンライン会議システムを使い開かれた。
 同研究会の北海道セミナーとして実名、匿名の関連記事を使った公開授業が11月27日、札幌・あいの里東中で行われた。だが、感染症対策のため見学者を限定したため授業後、研究会が動画配信していた。

 関連記事は二つ。2016年7月、神奈川県の障害者施設で45人が殺傷された事件で、娘を殺された遺族が娘の名前を公表した。県警は原則被害者の名前を公表しない異例の措置を取っていた。もう一方の新聞記事は19年7月に35人が犠牲になった京都アニメーション放火事件で、府警が全員の身元を明らかにした経緯などを掲載した。

昨年11月に開かれたあいの里東中の新聞記事を使った授業

 記事を教材化した同中の佐藤航教諭(26)は道徳科の授業で、人権と社会への影響面などから取り上げ、3年生34人が考えを深めた。匿名報道を支持する声では「プライバシーが侵害される」、実名報道に賛成の人は「事件の(全体像を知る)情報としてほしい」などという声があった。
 オンラインの授業検討会にはNIE全国大会札幌大会(今年8月)の公開授業担当教諭も参加し「新聞の具体的な使い方がよく分かった」「いい記事で授業をしたい」と感想を語った。(森田一志)