稲垣さん ページを戻って内容確認/新谷さん ニュースしっかり読める/嶋中さん 「詳しく正しい」のが魅力

 新聞離れが指摘される大学生は「新聞」をどう考えるか。連載「NIEとわたし」の特別編として、新聞を活用する北星学園大文学部心理・応用コミュニケーション学科の阪井宏教授のゼミ生、稲垣祈姫(さき)さん(21)、新谷波夏(しんやはな)さん(21)、嶋中弥生さん(20)=いずれも3年=に話し合ってもらった。新型コロナウイルス感染でオンライン授業が続く8月上旬、「新聞も読むといろんな情報があって面白い」などと語った。主な内容は次の通り。(聞き手・坂本尚之)

 ――普段、新聞を読んでいますか。

新谷波夏さん

 新谷波夏 週に1回だけ買って、ゼミで使う記事を選ぶために読んでいる。ゼミで読むまで正直、活字ばっかりのつまらないものというイメージがあった。おじいちゃん、おばあちゃんの読む物。でも読んでみると、いろいろな情報が目に入ってきて、楽しいと思うようになった。新聞はネットと違って、ニュースを「しっかり読み込む」という感じがある。ネットは見出しと記事をささっと読んで、「こんなことがあったんだ」と思う程度だけど。

 稲垣祈姫 私も週に1回。ゼミのためにコンビニで買っている。新聞は活字を読むことで「情報を取り入れている」と感じる。雑誌や小説もそうだが、(タブレットやスマホなど)デジタルで読むより、紙面をめくることで、「私いま、ちゃんと読んでるな」って感じる。ネットではあまりやらないが、新聞ではさっきの記事どんな内容だったかなと、ページを戻って読む。

 嶋中弥生 自宅で購読してますが、ゼミのために1週間分を1日で読んでいる。新聞は全体を通して見ると、興味のなかったことも目にとまるので視野を広げる機会になる。大人(社会人)との会話のネタになったり、友だちと時事ネタを話すとき、会話を広げるきっかけにもなる。

 ――週1回のゼミでは、どういうやり方で新聞を使っていますか。

稲垣祈姫さん

 嶋中 「新型コロナ」「就活・メディア・社会」「暮らし」関連の記事を読んでそれぞれ一つずつ持ち寄って、意見や感想を発表している。例えば、政治的な問題で内閣にこういう対応をしてほしいとか。感想を書くことで記事の内容に対する自分の意見を持つことができるのはいい。

 新谷 昨年、札幌での安倍晋三首相の参院選街頭演説中にヤジの声を上げた市民が道警に排除された新聞記事を読んだが、動画(ユーチューブ)を見ると、「そんなに叫んでいるかな」と思った。自分の目で見ることで意見が変わることもあるので、新聞と動画がリンクできればいいと思う。

 稲垣 最初に「東京で感染者200人超え」と聞いたとき、「やばい感じ」を強く出しているように思った。分母(PCR検査数)が増えれば多くなるのは当たり前。感染者数だけでなく、感染者率が大事な気がした。コロナ禍で暗いニュースが多い中、観光バス会社を解雇された元運転手が、夢だった飲食店の経営を始めた新聞記事があった。こういう記事を読むと頑張ろうと思う。

 ――自分が先生なら新聞を使ってどう指導しますか。新聞の教材としての可能性は。

嶋中弥生さん

 新谷 「事実とは何か」ということを知ってほしいので、複数紙を読み比べてもらう。新聞で興味を持ったニュースを、ネットニュースや動画でも見てもらうような使い方をしたい。

 稲垣 私も複数メディアを比較させたい。新聞やネットニュースを見て自分の意見をまとめる。それを継続させることで、物事の考え方が身に付き、偏見をなくすことにもつながると思うから。

 嶋中 私はテレビのコメンテーターなどの意見に流されやすいタイプなので、多くの意見を取り入れて考えることが大事だと、2人の話を聞いて思った。

 新谷 新聞は信頼感が高く、情報量も多いので学習に使うのは面白いと思う。新聞を読むことで、時事問題などを、世代を超えて共通の話題にすることもできる。

 嶋中 新聞は詳しく正しい情報を知ることができるのが魅力。読むきっかけがあれば、(それまでのつまらないという)印象が変わる。

 稲垣 テレビは好きで、基本的に楽しむために見ている。(番組は)何かを考えるとか、調べる糸口になっても、それが詳しいわけではない。「そうなんだ」と見ているけど、活字は教材としてすごく有効だと思う。