新型コロナウイルスの感染拡大で道内の高校新聞局は今春以降、長期休刊を余儀なくされたが、活動を再開した。生徒たちはコロナ問題の取材にも手を広げるなど記者魂は健在だ。昨年度の全道高校新聞コンクール総合賞5校(写植部門、手書き・ワープロ部門)の新聞づくりを紹介する。(森田一志)

*帯広柏葉*コロナ問題 精力的に

顧問の先生の赤字が入るデスク作業にじっくりと見入る生徒たち

 「通常登校 約1カ月ぶりに再開」。6月5日、休刊明けの第1号は速報版「とかちばれ」だった。トップ記事は毎年7月の学校祭が中止になったことを伝え、部活動加入状況の記事では「36・8%」と低迷していることを指摘した。評価の高い紙面は相変わらず素早く的確で、その持ち味を見せつけた。
 1年で一番厚いページ数となる7月末発行の「柏葉高新聞」。12ページと例年の半分ほどだが、コロナ問題に正面から取り組み4ページを当て工夫を凝らす。吉田聖菜さん(1年)は取材で「3年生からアルバイト先の勤務時間が減っていると、聞きました」。別の局員は校内アンケートで「授業についての不安」の質問は「ある」「なし」がほぼ拮抗(きっこう)するとメモした。
 創刊から68年。局員33人の大所帯とはいえ、進学組の3年生は補習が始まり1、2年生が中心。曽我采加(あやか)編集長(3年)は「やるべきことを率先して吸収しようとする雰囲気がいい」という柏葉カラーを受け継ぐ後輩を鼓舞する。

*名寄*「部活への思い」特集

松本春樹顧問(右)の指導で新聞編集に励む生徒たち

 中止になった全国高校総合体育大会(インターハイ)の記事に代わり何を取材しよう―。知恵を絞った新聞局は6日、特集「名寄高新聞 部活動の3年間」(25ページ)を発行した。代替大会出場の野球部を除き、男女陸上部や男女ソフトテニス部などの主将やマネジャーらが大会への思いやチームメートへの感謝を記したアイデア豊かな保存版だ。
 企画づくりは休校が明け、新1年生も含めた全10人で進め取材から1週間ほどで完成させた。松本春樹顧問の信条は「生徒の生き生きした活動を載せ校内を活性化させる新聞づくり」。速報版も含め年間約100号を発行する新聞局の機動力は折り紙付きだ。
 北村加世子局長(3年)は7月末から高知県で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)に行くはずだったが、中止になり他校生との交流の機会も失った。部活特集が事実上最後の編集活動になったが、「校内の皆が喜んで読んでくれました。作りがいがありました」と話した。

*札幌啓成、旭川工業、小樽潮陵*発行遅れにめげず奮闘

 札幌啓成は6月中旬に始動。新聞発行は速報を含め遅れ気味だが、休刊後の第1号は本紙に専念し編集している。1年生5人が新戦力として加わった。全9人で現在、コロナの感染予防や生徒アンケートなどをテーマにした紙面作りを進める。
 兼松恵斗局長(3年)は「生徒や先生が取材を応援してくれる」と喜ぶ一方、差し迫った大学受験では、昨年の英語の民間試験利用中止例などを挙げ「直前になりまた変更されるのでは」と不安を隠さない。
 旭川工業は卒業式号と入学式号がともに例年より2カ月以上遅れて発行になり「最新の情報を伝える新聞としては良くなかった」と山上真央副局長(2年)は反省点に挙げた。伊藤瑞基局長(3年)は「学校の行事も中止や規模縮小になり、特集ができなかった」と残念がる。
 局員4人の小樽潮陵は夏休み前の発行を目指し、2ページでコロナ問題などをまとめる。一方で小樽市内では「昼カラ」によるクラスターが発生し山田鈴華局長(3年)は「終わりの見えない新型コロナウイルスへの不安がさらに募った」と気持ちを吐露した。

 約50校が集う秋の全道大会は、例年より1カ月遅く11月15日、札幌市内のホテルを拠点にズームなどを使うウェブ開催になる。