毎日の仕事は書架の整理や本の貸し出し、本の展示、授業の資料提案…。主役の図書局の生徒たちとの連携にも気を配る。学校図書館司書の仕事は多岐にわたる。
 この春の異動前、札幌市内の前任校ではNIEを実践する教諭の手ほどきを受けた。学校に届く新聞を授業などで使えるよう仕分けたり、読み比べのコーナーを設けたりするのも習慣になった。「放課後にまわしよみ新聞を行うと、好きな記事をめくる生徒が本当に楽しそうだった」
 出勤前には自宅で朝、必ず新聞に目を通す。読んだ記事を図書館のどの本と組み合わせれば、生徒が興味を持って新聞に触れてくれるかアイデアをめぐらせる。
 「生徒が共感して世界を広げるためには、私もアンテナを広く張らなければ」
 正月明けには、故郷に帰省した教諭たちが持ち寄った山形、秋田、大阪などの新聞を図書館内に広げた。いつもは素通りする生徒が立ち止まり、1面記事や天気予報などに目を凝らす場面も増えた。
 改元の年の昨年。展示では去りゆく平成の時代を数々の象徴的な人物写真で振り返る紙面が特にお気に入りだった。タイトルは「平成の顔」。キャッチコピーにも力が入り「令和の顔になるのは君かもしれない」。
 最初、ボランティアで始めた司書歴は15年。現在、札幌市立栄南、栄町の両中学校の学校司書を兼務する。異動の前後から新型コロナウイルス感染が拡大し、休校で図書館から生徒の姿が消えた。
 このため自宅学習用に臨時の図書館ニュースを学校のホームページにアップ。無料で読める電子書籍とともに、新聞社のワークシートや子ども新聞を紹介してきた。
 「生徒は新聞を読まないというが、触れる機会がないだけ。生活に結びつける機会を増やしていきたい」
 北海道学校図書館協会研究部所属。札幌市北区在住。千葉県出身。(森田一志)