2002年8月、第7回NIE全国大会が札幌で開催された。札幌市立光陽中と札幌新川高が分科会を合同で催し、10月に同市である身障者インターナショナル(DPI)世界会議を切り口に、中高生が札幌の福祉の街づくりと人づくりをテーマに討論した。

伊達峰史さん 同中教諭だった伊達峰史(みねふみ)さん=現・札幌市立中央中教頭=は「高校生の司会やアドバイスにうまくナビゲートされ、引率した中学2年生は緊張せず発信に溶け込んでいました」と記憶をたぐり寄せた。
 中2生約30人は夏の全国大会を控え4月の進級時、伊達さんが「選択社会」の科目で募集した。授業は新聞の関連記事を切り抜き、情報の取捨選択を経て自分の考えを深めていくことを反復した。
 「新聞の良さは寄り道ができる点。ある記事と別の記事を関連づけて読める。興味あるものしか検索しないネットとは違う」と利点を挙げる。
 例えば社説を読み比べ、理解し考える。それをほかに伝えて互いに共有し、反対意見も視野に再構築する。子どもの「行動変容」にもつながり、伊達流ではひとまとめに「自己表現力」と呼ぶ。1年間学ぶと生徒に確実にプラスの変化が生まれるという。
 全国大会当時の教え子が高校生になり、偶然再会した時、人命や尊厳を尊重しない社会の行いなどについては「肌で感じ取った違和感を口にしていました」と振り返る。
 NIEとの関係はその後も続き08年度から4年間、日本新聞協会のアドバイザーを務め、道内の地区セミナーにも参加した。「社会科の教師としてどんな力を生徒につけるか。NIEを経験する中で学んでいった気がします」と話し「今は学校の若手が新聞の切り抜きに頑張っています」と笑みを浮かべる。
 札幌市教委の指導主事などを務めた。現在、教頭職2年目。北海学園大学法学部卒業。札幌市出身。同市北区在住。51歳。(森田一志)

 来年8月のNIE全国大会札幌大会まで1年余り。教育と新聞の接点に立つ人たちにNIEとのゆかりや逸話などを語ってもらう。