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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<ほっかいどうサイエンス>4*エゾマイマイカブリ*体凍っても春に“復活”

 「昆虫の王様」と聞いて思い浮かぶのは、カブトムシでしょう。「甲虫(こうちゅう)」という仲間に分類される、人気の高い虫です。この仲間は種類が多く、すべての昆虫の3分の1にあたる、37万種以上が世界で確認されています。
 道内に住む仲間のうち、寒い気候に適した特徴を持つのが「エゾマイマイカブリ」です。北海道だけにいる虫で、体長は3~5センチ。広い森の中で、好物のカタツムリが住む、下草が生える涼しい場所に住んでいます。
 胸の後ろ半分から腹を覆う表面の羽は甲羅のように一枚で、内側の羽も退化していて飛べません。色は黒く、首の部分は金属的な赤や緑色など、住む場所によって違います。成虫は腐った木などに穴を掘って越冬しますが、最大の特徴は、体が凍っても“復活”して春を迎えることです。
 多くの昆虫は冬になると、体の中にグリセリンという不凍液のような物質を作って蓄え、凍るのを防ぎます。一方、エゾマイマイカブリはマイナス7度ほどで体が凍り始めるという研究報告があり、気温が上がって解けると、また活動することができます。一度凍ると死ぬか、生活する上で大きな支障が出てしまう昆虫が多いのに、エゾマイマイカブリは冬に体が凍っても細胞が壊れません。小さな体の中に、北国を生き抜くための仕組みを持っているのです。
 カタツムリが活動する夜や雨の日は、エゾマイマイカブリに出合うチャンスです。ただ、うっかり触ると身を守るためお尻から悪臭を出しますから、ご注意を。
(道小学校理科研究会・松本昌也=札幌市立中央小教諭)

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