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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<ほっかいどうサイエンス>11*越冬キャベツなぜ凍らない*雪が保温、「糖」の作用も

 長い冬もそろそろ終わりですね。スキーや雪合戦などの遊びで皆さんを楽しませてくれる雪には、素晴らしい利用法があることを知っていますか。
 積もった雪は暖まりにくく、冷めにくいという特徴を持っています。
 雪の粒同士が網目状につながって空気のすきまがたくさんでき、暑さや寒さを遮る効果が高くなるからです。特に降ったばかりの雪は空気の量が多いため、建築物に使う断熱材と同じぐらい暖かさを保つことができます。
 この仕組みを生かしているのが、全国的にも有名な上川管内和寒町の「越冬キャベツ」です。秋に収穫し、雪で覆って貯蔵することで、気温が氷点下になってもキャベツの周りはおよそ0℃、湿度も100%を保つので凍らず、新鮮なまま蓄えられます。
 凍らない理由はキャベツ自体が持つ力にもあります。植物が日光を浴びて光合成し、でんぷんを作ることは小学6年生で学習しますが、実際にはそのでんぷんをさらに「糖」に変えて生きています。冬になると植物は寒さに耐え、凍らないようにより多くの糖を作るので、越冬キャベツは甘く、おいしいのです。
 こうした植物の特性に注目して作られる野菜の一つに、胆振地方などで生産する「寒締めホウレンソウ」があります。ビニールハウスの中で秋に種をまいて、ある程度成長してから冬にハウスを開けて寒さにさらすことで、甘みがぐっと増します。植物の持つ力と雪の恵みを合わせた知恵が、おいしい野菜作りにつながっているのです。
(道小学校理科研究会・森剣治=札幌市立川北小教諭)

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