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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<ほっかいどうサイエンス>14*イトウなぜ絶滅危惧種に*河川工事で生息域減少

 日本では北海道だけにすむ「イトウ」という魚がいます。サケの仲間で、川や湖で生きる淡水魚としては国内最大です。1970年代には、体長2メートルを超えるものも発見されました。
 産卵を終えると死んでしまうサケに対し、イトウは15~20年以上生きて繰り返し卵を産みます。産卵時期、オスはえらの後ろから尾びれにかけ、とても美しい朱色になります。
 アゴの力が強く、鋭い丈夫な歯を持っています。舌にも歯があり、小魚やカエルのほかヘビなどを食べることもあると言われます。
 強い魚のようですが、1960年代以降は激減し、今は後志管内の尻別川、宗谷管内の猿払川など13の川にしかいません。環境省や道の「絶滅危惧種」に指定されているのです。なぜこんなことになったのでしょう。
 イトウが産卵するのは川の上流です。子どもは生後1~2年は生まれた場所からあまり離れず、林などが近くにある曲がりくねった川の岸寄りにすみます。特に、浅く流れの緩やかな場所が必要です。成長後は下流の深い淵(ふち)や河口近くで魚を食べて暮らしますが、産卵のため、毎年のように上流と下流を行き来しなければなりません。
 しかし、各地で川を直線化したり大きな堰(せき)を造る工事が増え、流れが急になるなどの変化が起きました。イトウのすめる場所は減ってしまい、産卵場所にたどり着くのも難しくなって数が減ってしまったのです。
 昔は川や湖などの「主」と言われたイトウを「幻の魚」にしないため、ぜひ関心を持ってください。保護は、そこから始まるのです。
 (道小学校理科研究会・相高秀彦=札幌市立新川小教諭)

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