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<ほっかいどうサイエンス>21*ジャンプ選手はなぜ飛べる?*空気を捉えて揚力保つ

 14日にオーストリアで開かれたスキージャンプワールドカップ(W杯)女子で、上川管内上川町出身の高梨沙羅選手(16)が90メートル超の記録で優勝しました。100メートル超もの高さから滑降するとはいえ、なぜそんなに遠くまで飛べるのでしょう。
 空中にいる選手の姿を横から見ると、飛行機の翼の断面に似ています。翼は前方が厚く膨らみ、後ろへいくに従い薄くなっています。選手は時速約90キロで空中に飛び出し、この形をスキーと自分の体で作るのです。では、この形は飛距離とどう関係するのでしょう。
 飛行機の翼の上下では、上の方が空気の流れが速くなります。なぜなら厚く膨らんでいる分、翼の前から後の端までの距離が下側より長く、前方からの空気の流れは同じ時間をかけて後ろの端で合流するので、長い距離をたどる上側の空気の方が流れが速いのです。
 空気は流れが速くなると圧力が下がります。このため翼の上側にかかる圧力は下側より低くなり、この差が翼を押し上げる力となります。これを「揚力」といい、ジャンプ選手もこの力を生かしているのです。
 選手が着地する時には体を起こすため、空気の抵抗が大きくなりスピードが落ちます。ですからトップレベルの選手は限界まで姿勢を保ち、遠くへ飛び続けようとするのです。
 1、2月は道内でジャンプ大会が次々開かれます。勇敢に空中へ飛び出す選手たちは心身が強いだけではなく、空気の流れや圧力を生かして姿勢やスキーの角度を巧みに調整しています。それが、地道な練習の成果だということを忘れないでください。
(道小学校理科研究会・松本昌也=札幌市立中央小教諭)

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