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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<ほっかいどうサイエンス>23*流氷*塩分濃度薄い上層 風で凍る

 今年も1月12日に網走へ、16日には紋別へ流氷が来ました。日本ではオホーツク地方でしか見られないため、多くの観光客が訪れています。
 流氷を作るのは、北海道から千キロも遠いロシア東端シベリアのアムール川の真水と、オホーツクの海水です。
 オホーツク海にはアムール川の真水が大量に流れ込み、海水と混ざり合います。このため、シベリアと千島列島の間には、ごくわずかに塩分の濃さの違う二つの海水の層ができます。濃度が違う水は重さも違うので、混ざり合うことはありません。つまり、オホーツク海の水面から水深50メートルくらいの部分は、アムール川の真水が混じった塩分濃度の薄い、浅い海のような状態になっているのです。
 冬の海では、水面に近い場所にある冷えた海水が周りより重くなって沈み込み、底の温かい海水と入れ替わります。これを「対流」といい、オホーツク海の上の層も、対流しながら徐々に全体が冷えていきます。海水は氷点下1.8度くらいで凍りますが、塩分の薄い上の層はシベリアからの厳しい寒風を受けて対流するため、全体が早く冷えて水面から氷の結晶ができ始め、流氷に成長します。
 もちろん他の海でも対流は起きますが、深い海は対流して全体が冷えるまでに時間がかかり、凍る前に春を迎えるのです。
 オホーツク海沿岸と似た気候の地域は他にもありますが、こうした複数の条件がそろわないと流氷はできません。自然の力が複雑に重なり、雄大な光景を見せてくれるのです。
(道小学校理科研究会・牧野理恵=札幌市立二条小教諭)

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