NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<学びをつなぐ>5*「読む」から「書く」*川柳作り 生徒がやる気

 「ほんと苦し紛れでしたねぇ」。日本新聞協会NIEアドバイザーの高橋恒雄・小樽市立北山中教頭(46)が、新聞活用と川柳創作をリンクさせた活動を、感慨深げに振り返った。
 2008年4月、市内の銭函中に赴任した。社会科の授業で、時事問題を扱った記事の感想文を1年生3クラス約90人に宿題として与えてみた。100字~200字としたが、提出した生徒はほんの一握り。書けないか、はなから出す気がない―が理由だったという。
 「五七五の17文字なら何とかなるんじゃないか」。川柳作りは窮余の一策とも言えたが、予想外の効果をもたらした。
 高橋さんは離任する14年3月までの6年間、新聞から選んだ記事を載せるなどした「社会科通信」(A4判)の発行を続けた。朝のホームルームで生徒に配布し、「通信」を基に1人1句以上の創作を課した。これはと思った句は北海道新聞の「どうしん川柳」に投稿、計437句が掲載された。
 個人差はあるものの、短時間で記事を正確に読みこなす力が養われ、文章の表現力もついた。読者が読んで幸せな気持ちになった記事の感想文を応募する「ハッピーニュース」(日本新聞協会主催)には全校で取り組み、11年から3年連続で特別賞。100字のコラム「ジュニア・ジャーナリスト大賞」(現代用語検定協会主催)でも、昨年度上半期に大賞などに5人が入賞した。
 「朝読書の時間を川柳作りに充ててくれるなど同僚の積極的な応援が心強かった。『(新聞に)また載ってたね』と地元の人たちからもよく声をかけられた。教え子の頑張りが教室から学校、地域へと広がった」。高橋さんが相好を崩した。
 「200字程度の作文を書くだけでヒーヒー言っていた」。岩見沢市立明成中で国語を教える山本あさ子教諭(44)が、数年前の生徒たちを思い浮かべ、思わず笑みをこぼした。12年度にNIE実践校になり、作文のレベルアップを目指した。新聞の1面コラムの書き写しが活動の柱。「読む力を付け、語彙(ごい)を増やすことを狙いにした」という。並行して本紙の「みらい君の広場」への投稿も実践した。
 13年度は「書く力」の向上を掲げ、批評文を書く活動にも取り組んだ。授業で傷痍(しょうい)軍人会解散という新聞2紙の長い記事を読み比べ、双方に対する感想を書かせた。「何となく」や「ビミョー」などの表現は論外と指導した。「批評には根拠が必要だと徹底した」という。
 山本教諭は校内外の研究大会を通じ、こうした実践を紹介している。「新聞を使う先生が増えてくれれば」と期待を込めた。(葛西信雄)

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