NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<学びをつなぐ>8*表現活動*古里を理解する一助に

 ホタテ漁と酪農が盛んなオホーツク管内興部町―。日本新聞協会のNIE実践指定校でもある興部高校の朝妻秀教諭(46)=国語科=は、古里を肯定的にとらえるための新聞活用を目指している。その思いを「生徒には一度都会に出ていろんな経験を重ねてUターンしてほしいと思っている。オホーツク海に戻るサケのようにね」と表現した。
 実践指定校の代表になったのは2012年。さっそく取り組んだのは情報や文章を読み取ってまとめる力を育てることだった。国語の授業の中で生徒全員に新聞を渡し、1面から順にどんなことが書いてあるのか、グループごとに書き出させた。
 また10分間の朝学習を「NIEの時間」にあて、北海道新聞などが作ったワークシートを解かせた。「新聞には記事以外にも論説、評論、コラム、文芸、漫画などいろいろな文章が出ている。生徒たちが普段から多種多様な文章に触れるには、とてもいい機会になるんです」(朝妻教諭)という。
 並行して、小中高生を対象にした北海道新聞の投稿欄「みらい君の広場」を教材にした。文章の構造を生徒自身に分析させた後、実際に作文を書かせて投稿し、同年は生徒2人の作品が掲載された。
 2年目の13年は、2年生の必修科目「古典講読」と新聞づくりを一体化させる実践に力を注いだ。近年、災害文学としても注目されている鴨長明の「方丈記」に登場する安元の大火(1177年)や、元暦の大地震(1185年)などを題材にして生徒一人一人に手づくりの新聞(A4判)を製作させる方法だ。
 5W1Hに基づいて前文(リード)と本文で構成する500字ほどの記事を書かせた。「平安京で大火事」といった見出しに加え、「伊藤新聞」などの題字も考えさせた。「新聞の体裁を活用することで作品の中身をそしゃくしたり、分かりやすい文体で第三者に伝えることが狙い。達成感もあり、考えた以上の成果が上がった」と振り返る。
 3年生の必修教科「国語表現」では、こうした実践を土台とする。新聞の人物紹介記事を参考に古老らを取材して文章にまとめる「聞き書き」や写真撮影、記事執筆を1人1ページずつ担当する方式で興部のガイドマップ作成などを指導している。同僚と協力し合いながら国語以外の教科での新聞活用も模索している。
 朝妻教諭は「生徒には地域を支えている人々を含めた、古里の素晴らしさを理解して卒業してほしいと思っている」と抱負を話した。(葛西信雄)

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