NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>1*事始め*新聞 まずは教師が手に

 「可能性の大きさを実感しました」。2014年度、市立士別中学校が日本新聞協会の新規NIE実践校に認定され、全校の中心となって取り組んだ戎谷(えびすたに)義明教諭(39)=理科、現・旭川市立東明中=は新聞活用の手応えを語る。

掲示板の新聞記事を読みながら談笑する戎谷教諭(右端)と男子生徒

 NIEの導入は、上川教育局の教育研究推進事業実践校指定が呼び水となった。期間は14、15年度の2年間で、研究テーマは「言語活動の充実」。校内の教育活動全般に目配りする教務主任の立場から、「研究実践と新聞活用を結びつけ、相乗効果を図ってみたい」と思い立った。
 昨年9月、複数の新聞が学校に配達されるようになる。新たに用意した新聞ラックを職員室に置いたことがNIEの事始めだった。全教職員18人のうち、家で新聞を購読しているのは3分の1程度。「まず、教師自身が新聞に親しむことが大切だ」と考えた。
 生徒が利用する図書スペースにもラックを置き、教師が読み終えた1日遅れの新聞をとじて、自由に閲覧させる環境を整えた。
 出勤してすぐにラックから新聞を取り出し複数の新聞に目を通す教職員、昼休みにスポーツ記事などをチェックする生徒たち―。徐々にだが、新聞を読む風景が確実に広がっていった。
 並行して、比較的取り組みやすい実践に着手した。先駆けとなったのが、10月に開かれた第4回道北地区小中学生スクラップコンクールだ。
 国語の表現活動の一つとして2年生全員(65人)が応募したところ、女子生徒の一人が最優秀賞に次ぐ優秀賞を射止めた。士別中のチームが綱引き全国大会への出場を決めた記事などを選び、感想を読みやすい文字で丁寧に書いた成果だ。
 3年生の教室と隣接する保健室。外の廊下の掲示板には、「受け身ダメ 復習大切」「LINE(ライン)の使い方に注意」といった切り抜きが並ぶ。養護教諭の山崎真由美さん(44)が、卒業を控えた3年生に読んでもらいたい記事を各紙からピックアップして掲示するようにしたのだ。
 戎谷教諭には一つ、気になることがあった。今年2月、高校入試直前の模擬面接で「最近、気になるニュースはありましたか」と水を向けると、沈黙してしまう生徒が多かったのだ。
 「ニュースに対する感度と社会への関心を育てる有力な手段の一つが新聞だ。授業の中に、教材としてもっと取り込む努力が必要だと痛感している」。1年間の実践を振り返り、自らに言い聞かせるように言う。(葛西信雄)

 NIEは教師が新聞を手に取ることから始まる。授業でいかに生かすか、子どもたちの興味をどうやって引くか―。そこから先は半ば手探りだ。道内各地の教室から実践を報告する。

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