NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>2*読ませる工夫*興味引き出す紙面並べ

 11日、十勝管内鹿追町立鹿追小学校の昼休み。児童たちは、NIE担当の田山えり教諭(30)に誘われて玄関ホールの新聞コーナーに集まってきた。用意されたいすに座って新聞を読み始める。「女性大統領は初だから期待している」。道新こども新聞週刊「まなぶん」で、米国大統領を目指すヒラリー・クリントン氏の記事を見た阿彦結夏(ゆな)さん(5年)は興味を示す。

鹿追小玄関ホールの新聞コーナーで、田山えり教諭(左から3人目)と一緒に新聞を読む児童たち

 2年生の前川美颯(みはや)さんは朝日小学生新聞で人気アニメキャラクター「忍たま乱太郎」が出題するクイズを眺める。「新聞はいろんな文字が書いてあって勉強になる」。6月からのプール学習に向け、水着の広告に目をとめる1年生もいた。
 鹿追小はNIE実践校になって6年目。本年度は5月から全国紙と地方紙計7紙が届く計画で、小学生向けの新聞を初めて取り入れた。「大人の新聞は置いただけでは見ない。子供新聞は読みやすいので見ると思う」と、田山教諭は期待する。
 翌12日。田山教諭は午前6時45分に出勤した。配達された新聞3紙を新聞コーナーに置き、古い新聞を並べ直す。「ゴジラ 新宿に現る!?」と大きな写真付きの記事が載った子供新聞のページを開いておく。興味を持たせるための工夫だ。
 田山教諭は新聞を全校に広める活動だけでなく、授業で活用する。6年生の担任だった昨年11月、校内研究で社会科の授業を公開した。課題は「東京オリンピックが開かれ、日本はどのように変わっていったのだろう」。1964年の東京五輪前後の地方紙の記事から当時の様子を調べ、高度成長との関連を考えさせた。記事を集めるため、帯広市図書館に通い、地元新聞社のNIEコーディネーターの協力を得た。
 子供たちが記事に夢中になって公開授業だけでは終わらず、翌日、もう1時間かけた。学習のまとめでは、「五輪開催に合わせて帯広空港が現在地に移転し、ジェット機が就航した」という記事を使った子もいれば、急増した高層団地で使われるポータブル浴槽の広告に注目した子もいた。
 田山教諭は「教科書で学ぶより楽しそうだった」と振り返る。今年は1年生の担任なので「写真なら興味を持てそう」と新聞の活用法を模索する。
 鹿追小は2003年度から文部科学省の研究開発学校に指定され、小中高一貫教育を進める。柱の一つ、ふるさと教育を発展させた新地球学では、各学年のまとめに新聞作りを行う。新聞コーナーには、昨年の6年生が然別湖でのカヌー体験を紹介する壁新聞も掲示された。
 梶原源基校長は「新聞は事実を基に考えるきっかけとして役に立つ。いい教材は生かしていきたい」と話す。(武藤理司)

ページ上部へ