NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>3*生かす*新聞手作り 深まる理解

 釧路市立興津(おこつ)小学校に4月に赴任した浅田貴由教諭(37)は4年1組を受け持ち、「新聞を授業でいかに活用するか」で心を砕く。同じ釧路にある前任校の新陽小学校は昨年度、日本新聞協会のNIE実践指定校に認定され、担任を持たぬ教務主任として1年間、学校挙げての新聞活用を推進した。その経験を基に、新任校ではより具体的、実践的なNIEを目指す。

4年1組の「新聞作りコーナー」で手作りの新聞を見る子どもたちと浅田貴由教諭

 新陽小でも興津小でもNIEの三つの柱は変わらない。「見る・ふれる」→「とり出す」→「生かす」である。4年1組の教室には、見て触れてもらうため、新聞掲示コーナーを設け、出勤前に家で切り抜いた記事を張り出す。付箋をそばに置き、記事への感想を子どもたちに自由に書いて貼ってもらう。
 生まれつき四肢に障害のある釧路市動物園の人気者、アムールトラのココアが5月末に7歳の誕生日を迎えた時の北海道新聞の記事を掲示すると、「うちより2さいとしした(年下)だ! おどろき」「ココアおめでとう」と付箋に書き込まれた。最初は見出しや記事に興味を持ってもらうことから始める。
 「子どもたちは同級生が付箋に書いた意見や感想を読んで、別の子の見方を知ることができる。他者への理解につながるのです」と浅田教諭は指摘する。
 自分が必要な情報を見つけたり選んだりする力を養うのが、「とり出す」作業だ。例えば、記事に必ず盛り込まれている5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって)の要素を抜き書きさせ、記事はどう構成されているかを学ばせる。
 課題は最終段階の「生かす」ための授業法だ。前任校では5年生の担任の協力で、1年生に向けた新聞を5年生が作った。見だしや文章を分かりやすく工夫したり、漢字にふりがなを付けたり、相手を意識して表現する取り組みは成長を促す。
 5月、4年1組の子どもたちに社会科の「事件・事故のないまちを目指して」の単元のまとめで新聞を手作りさせた。新聞の題名は「安全第一新聞」だったり「消防新聞」だったり。
 各自、消防署員や警察官の仕事を紹介し、「火事がおきるとすごくたいへんなことがわかった」「警察署の人が地いきの人たちを守ろうとするのがすごかった」などと感想欄に書いた。
 これからは教科の特性や狙いを踏まえ、新聞をさまざまな教科でより効果的に活用するつもりだ。「子どもたちが自ら新聞を読み、自分の考えを持つようになって発信し、視野を広げていくことが最終的な目標だ」と考える。「子どもたちの興味を引くためにどんな記事を選んで使うかで教師の力が試される」とも思う。(山本肇)

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