NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>4*読む*昼の放送に朝刊の話題

 「TBSランチボックスの時間です」。旭川東栄高(塚本宏之校長、477人)の昼休み、女子生徒2人の軽妙な語りで校内放送が始まった。TBSは東栄高放送局(伊藤諒映(りょうえい)局長、15人)の愛称。MC担当の有馬瑛美(えみ)さん(2年)と安保(あんぼ)菜々香さん(同)が朝刊から選んだ記事は「熱中症」。有馬さんが記事にマーカーをつけた部分を読み上げて予防法を紹介すると、安保さんが「対策が広がってほしい」と応じ、ヒット曲を流して10分ほどの番組が終了した。

昼休みの放送で記事を紹介する旭川東栄高の生徒たち

 同高がNIE実践指定校になったのは2014年度。放送局顧問の久保田弘教諭(52)が「今の生徒たちは新聞やテレビを見ないし、見るのはネットの動画サイトぐらい。しかし、放送局員といえば校内のジャーナリスト。そんな生徒たちに刺激を与えたい」と、放送局で新聞活用に取り組むことにした。
 新聞6紙を順番に1紙ずつ購読している。毎朝、久保田教諭が放送室に届ける新聞から、紹介する記事を当日のランチボックス担当者が探す。始めた当初は、生徒が選ぶ記事はコンビニの新商品や芸能などのエンタメ情報ばかりだった。一時、1面の記事に限定させるなどした結果、昨年12月の衆院選やパリでのテロ、イスラム国関連の記事を含めて幅広く取り上げるようになり、最近は安保法案、冥王星の話題もあった。
 また、コラムや地域の話題の記事を「ですます調」の放送用原稿に書き改め、互いに読んで発表するアナウンス練習にも取り組んでいる。番組作りを目指して適当な記事を探したり、記事を基に企画書を作ってみたりもする。さらに、広告コピーの朗読にも挑戦した。
 同高は昨年12月の道高文連放送コンテストのビデオメッセージ部門で2位に入り、7月31日と8月1日に滋賀県で開かれる全国高校総合文化祭に出場する。取り上げたのは上川管内東川町などが取り組む「君の椅子プロジェクト」。新生児に椅子を贈る事業で、東日本大震災後は震災被災地に対象を広げた。最初はネットで情報を見つけ、内容の肉付けに新聞を役立てた。監督の熊井明日香さん(2年)は「企画や構成に新聞記事を参考にしたほか、東日本大震災を表現するのに新聞の紙面の映像を使いました」と振り返る。
 こうした実践を通じて、生徒たちは「新聞には自分の知らないことがいっぱい書いてあり、読むようになりました」(有馬さん)、「高校入試の面接対策をきっかけに読んでいましたが、番組の企画などに役立てていきたい」(安保さん)と、新聞との距離が縮まったようだ。
 2年目に入り、久保田教諭は「今後は新聞の隅々まで使いきる活用を目指す」と張り切っている。(上ケ島精一)

ページ上部へ