NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>5*読み取る*記事要約 意見伝え合う

 札幌市立太平中学校で社会科を受け持つ阿部晋也教諭(39)は新聞のニュース報道を授業に積極的に取り入れている。
 7月16日、1年4組の教室。生徒たちは自分で選んだ新聞記事をワークシートに貼り、記事の要約と自分の考えを書き込んだうえで授業に臨んだ。シートは「読むとおもしろい 新聞レポート」との題名。生徒たちは3、4人のグループに分かれ、要約と感想を紹介し合う。

授業に臨む阿部晋也教諭(左から2人目)と生徒たち

 男子生徒の一人は「新聞が欲しいと家で言ったら、去年のが出て来た」と言い、昨年12月の衆院選挙を前にした11月29日の北海道新聞朝刊の記事を題材にした。「脱原発『議論もっと』 願い託す子育てママ」との見出しだ。東京電力福島第1原発の事故を受け、脱原発を訴える子育て中の女性たちが原発問題が選挙の争点にならないことに危機感を覚える、との内容だ。
 男子生徒は「原発はとても危険だし、放射能とかで体に障がいが残るかもしれないから無い方がよい」との感想を読み上げた。グループ内で出た原発は危険だとの意見を「友人の考え」の欄に書き、話し合い後の考えとして、停止中の原発の再稼働はやめてほしいと結んだ。
 記事の要約はNIEの入門編として生徒の抵抗感が小さい。生徒たちはグループ内で意見を自由に交わす。阿部教諭は「自分の考えを持って相手に伝え、意見を聞いたうえで自分の考えを再構築することで、思考力や判断力を育てたい」と話す。
 太平中学校は昨年度、日本新聞協会のNIE実践指定校となり、阿部教諭は3年生には「裁判レポート」を課題とした。生徒は新聞から裁判の記事を切り抜いてワークシートに貼り、《1》民事裁判か刑事裁判か《2》どこの裁判所の第何審か《3》原告・被告(被告人)は誰か《4》裁判の内容・判決―を書き出したうえで、審理や判決に対する感想、意見を盛り込んで仕上げるのだ。
 取り組んだ生徒からは「裁判に限らず、人の意見に耳を傾けること、自分の意見を主張することは普段の生活でも重要だと学んだ」「裁判に無縁だと思っていたが、裁判員に一生のうち一度は選ばれると考えた方がよい」といった感想が出た。
 1年生にもいろいろな課題で「○○レポート」に取り組んでもらい、新聞を読み取る力や意見を組み立てる力を身に付けさせたい考えだ。生徒が楽しみ、新聞にはさまざまな記事があると気づくだけで成果と言える。
 これからは、社会科以外の授業でも新聞を活用する土壌を校内で徐々につくっていきたい。「取り組みを長続きさせるためには、先生、生徒双方の負担にならないようにすることが基本だ」と考えている。(山本肇)

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