NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>6*共感*スクラップ 校内に拡大

 小中併置の上川管内美瑛町立明徳小中学校で中学校の社会科を担当する佐藤雅輝教諭(44)は、NIE活動に本格的に取り組んで7年目になる。
 実践の柱は、気に入った新聞記事を切り抜いて感想を添える「スクラップ活動」だ。授業での実践から一歩進め、本年度は全クラスが行う「朝の学習」の取り組みの一つに位置づけた。
 1学期は6、7月の2カ月間、3クラス、計10人の生徒が各自、始業前の10分間で新聞を読み、好みの記事を切り抜いた。夏休み中も家で切り抜きを続け、休み明けに感想とともにノートに張って1冊にまとめた。

出来上がったスクラップを手に感想を話し合う左から松下ひかるさん、佐藤雅輝教諭、山田樹斗君

 山田樹斗(みきと)君(3年)は読者の投稿記事などを選び、気になる箇所に線を引いては感想を書き込んだ。進路についての若い世代の投稿には、素直な自分の考えも。「1年の時はスポーツ面が中心でしたが、今は関心が変わってきた。同年代の投稿は自然と目に留まります」と話す。
 松下ひかるさん(3年)は大阪府寝屋川市内の中1男女殺害事件など、1面と社会面の大事件が中心だ。「私は新聞の中面はまず見出しを見ていき、興味がある記事や写真があるとじっくり見ます」。読み方は人それぞれだ。
 テーマは学年を追うごとに変わっていく。「1年のころはスポーツや動物に関心があり、中3になると硬いテーマになる。視野が広がっていくのが分かります」と佐藤教諭は話す。スクラップを通じて、一人一人の考えや関心の方向が分かり、成長を感じ取ることができる。
 道北小中学生新聞スクラップコンクール(北海道NIE研究会道北支部主催)が毎年あり、今年も応募する予定だ。昨年は中1の部で最優秀賞に選ばれた生徒がいる。山田君は1年の時に最優秀、松下さんも同じく優秀賞を受けた。
 大きな手応えを感じているのは、校内でのNIE活動の広がりだ。本年度、朝の学習メニューに加わったことで、各担任教師が同様に取り組んでいる。「昨年度までは私が担当する授業の一部で取り上げていたのが本年度は毎朝、担任の先生が生徒に声をかけてくれています。この効果は大きい」と言う。
 他の教師が昨年度のスクラップで生徒の成長を実感した結果だ。併置の小学校の教師の理解と協力を得て、6年生も1人参加している。
 佐藤教諭は昨年度は美術担当だったこともあって、美術の授業で新聞を活用した。記事を1枚の紙にぺたぺた貼り、絵の具で色付けする手法で「絵の苦手な子も表現ができた」と話す。
 「他の教科や学校活動全体でもっと何かできないか」。模索は続く。(渡辺多美江)

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