NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>7*模索*カリキュラム化で前進

 札幌平岸高校でNIEに取り組む磯貝純教諭(50)=国語科=は「多数の生徒を巻き込んだNIE推進は難しい」と感じている。大規模校で新聞を活用する場合、たとえ一つの学年単位であっても、複数の教師の連携が不可欠だからだ。
 平岸高校は1学年8学級、生徒数は960人近い。昨年度、日本新聞協会のNIE実践指定校となった。当時、磯貝教諭は3年生の担任で、小論文対策に新聞を使い、進学や就職を控えた生徒たちから一定の手応えを得た。本年度は1年生の副担任を務め、生徒が新聞に少しでも触れる方策を模索する。

興味のある記事を選んで意見を交わす札幌平岸高の1年生。指導する2人の副担任のうち右が磯貝純教諭、左が山口浩司教諭

 小論文対策に新聞を活用したのには理由がある。公務員試験の面接では時事問題が話題になることが多く、推薦入試では小論文を課す大学が少なくない。
 昨年9月、実践指定校に配達される新聞各紙の閲覧コーナーを3年生の教室がある2階に設けた。毎朝、注目される最新の記事を壁面に張り出し、順次、テーマ別にとじ込んでいく。
 主に教育系、看護・福祉系の大学を目指す生徒たちが受験に役立ちそうな記事を探すようになった。磯貝教諭は「小論文は課題に対する知識と素材がないと書けない。新聞の掲示は小論文準備のための雰囲気づくりのようなものだった」と話す。
 本年度は毎日、新聞各紙の注目される記事を廊下のNIEコーナーに張り出している。
 生徒たちが新聞を実際に手に取って記事を読むには仕掛けやきっかけが要る。1年生の「総合的な学習の時間」を利用し、9月から10月にかけて、NIE活動を設定した。北海道新聞の記者を招き、体育館で一人一人新聞を手に上手な読み方を学んだほか、新聞から興味のある記事と心温まる記事を切り抜いてワークシートに貼り、選んだ理由を書き込んだ。新鮮なのか、楽しみながらの作業となった。
 生徒たちが選んだ興味のある記事は安保法制、北海道新幹線の開業日、阿蘇山の噴火、18歳選挙権、欧州連合(EU)の難民対応…と多岐にわたる。「高校生の政治活動容認」との見出しの記事に対し、生徒の一人は「高校生でも政治について今も意識していかなければいけないなと思わせる記事だったので、興味深かった」と書いた。
 高校生になると宿題や部活に追われる。進学校は受験指導に軸足を置き、成果が目に見えやすい取り組みを優先しがちだ。
 磯貝教諭は今回、NIEを学校のカリキュラムに組み込み、全体の取り組みに一歩近づけたととらえている。総合的な学習の時間担当の教師も実践に参加した。磯貝教諭は校内の新聞活用の広がりに期待を寄せる。(山本肇)

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