NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>8*導入*理解助けるクイズ形式

 札幌手稲高校で2年生の「情報」を担当する桶(おけ)雄一教諭(46)は、授業の導入部で新聞記事を必ず使う。今月6日、2年5組38人の授業は「著作権」がテーマ。直接は関係しない「パソコン使えない若者増加」(10月16日付毎日新聞)との記事をA3判にプリントして配った。スマートフォン(スマホ)を自在に操る若者がパソコン操作は苦手という少し意外な話だ。

授業の冒頭、新聞記事のコピーを読む札幌手稲高の2年生たち

 プリント裏側では、情報にまつわる用語と話題として「デジタル・デバイド(情報格差)」と、コンピューターが誤作動を起こす恐れのある「2038年問題は本当か?」を解説した。生徒たちにじっくり読ませて考えさせる。この間、10分ほど。
 著作権の学習では「卒業記念で学校のプールの底にミッキーマウスを描いたが、著作権違反には抵触しない」「作詞家・作曲家・編曲家、そして歌手のそれぞれが著作権を有している場合、持ち歌として歌っている歌手自身が自由に歌詞を改変して歌っても問題はない」などの問いにクイズ形式で答えさせた。
 ミッキーマウスの絵を描くには許諾が必要で、歌詞を変えて歌うのは作詞家の同一性保持権の侵害に当たり、いずれも「×」が正解。具体例として、1987年に滋賀県の小学校で無断でプールに描いたミッキーマウスの絵を消すことになった記事と、07年に歌手の森進一さんが「おふくろさん」に歌詞を追加して問題になった記事のコピーを配り、生徒の理解を助けた。授業の終わりに「著作権は甘くないよ」と注意を呼び掛けた。
 桶教諭は15年以上前から新聞記事を活用している。「社会で起きていることを私の独り善がりでなく、新聞で裏付けて伝えたい。社会の動き、流れを生徒に新聞で読み取ってほしい」と狙いを語る。同校は北海道新聞など5紙を購読しており、桶教諭は気になる記事を翌日以降、自由にスクラップさせてもらっている。ただ、新聞各社の記事データベースは利用できず、古い記事を探すのに苦労しており、ミッキーマウスの記事などは札幌市中央図書館に行き、ようやく探し出した。
 14年度にNIE実践指定校になり、本年度は5、6月に全6紙を集中して届けてもらった。生徒たちは自宅の新聞を含めて情報モラルなどに関わる記事を切り抜いて意見・感想をまとめ、情報処理推進機構の「ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール」に応募した。
 生徒たちは「新聞を読むようになった」「社会の流れが分かって面白かった」などの感想を寄せている。桶教諭は「今の社会がどう進むのか、方向性を新聞を通じて考えさせたい」と話している。(上ケ島精一)

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