NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>10*紙の効果*新聞に触れる方策模索

 札幌月寒高校の定時制で「商業」と「情報」を教える青島正樹教諭(51)はパソコンやスマートフォンでインターネット情報に触れさせながら、紙の新聞の良さを伝えようと心を砕く。

10大ニュースの選び方を説明する青島正樹教諭

 授業はコンピューター室で行う。定時制の生徒は1年生から4年生まで各学年1クラス(定員40人)で、全員、パソコンを1台ずつ使える環境にある。
 昨年12月9日、午後8時からの4時間目は3年生の「商業」のうち「実践」の授業。北海道新聞の「あなたが選ぶ10大ニュース」に応募するため、紙面に載った道内、国内、国際分野の10大ニュース候補をコピーし、出席した26人に配布した。
 併せて、ニュースへの理解を助けるため、「18歳以上に選挙権」「TPP大筋合意」「北海道新幹線3月26日開業」といった主要な切り抜きを配る。
 授業のテンポは速い。生徒を3、4人の班に分け、個々のニュースをインターネットで調べさせる。生徒は各種検索エンジンを使って、ニュースにたどり着こうと試行錯誤する。行き着くのは、新聞記事を集めて配信するウェブサイトだったり、ネット上の電子百科事典「ウィキペディア」だったりする。
 青島教諭が問い掛ける。
 「ニュースサイトの情報源は新聞記事なんだ。じゃ、ネットと新聞のどっちを信用する?」
 そして、畳みかける。
 「いいか、次の授業までに、10大ニュースを班ごとに選んで来るように! 調べる時は新聞社のサイトを見るんだぞ」
 新聞社のサイトで過去の記事を調べるには普通、契約や会員登録が要る。生徒は求めるニュースを探せず、四苦八苦する。
 「そこで、配った記事の切り抜きを見ることになります」と授業が終わり生徒が帰った後、青島教諭が種を明かす。
 生徒にアンケートしたら、信頼できる情報源として8割が新聞を挙げた。だが、新聞を実際に読んでいるのは一部だ。
 これまで、新聞に触れさせる方策を模索してきた。興味のある記事を基にA3判の手書き新聞に再構成させた。日本新聞協会が選ぶ心温まるニュースの感想はずっと書かせている。
 新聞を初めて手にする生徒からも「新聞は見やすい」との感想が聞かれ、一定の効果を実感している。ある時、生徒の関心を引くため、ニュースを特定のサイトで見てもらうよう誘導した。ニュースがスマホで手軽に見られると分かると、生徒は紙の新聞から離れていった。
 「新聞には興味のない記事も載っていて、触れることで知識が広まる。行間のニュアンスをくみ取れるのも新聞だ」
 紙の新聞に戻す模索が続く。(山本肇)

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