NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>11*手応え*「18歳選挙権」身近に

 札幌市立稲穂小学校の鈴木智史(さとし)教諭(34)は「18歳選挙権」について考える授業で新聞を活用し、一定の手応えを得た。

 1月29日、6年2組の教室。児童38人が社会科の「国の政治のしくみ」の授業に臨む。鈴木教諭は前回学んだ国会の働きを振り返った後、1枚のスライドを50インチのテレビに映し出す。
 「これは何の写真でしょう」
 細長い穴が二つ、平行に並んでいる。スライドを一つ進め、少し引いた写真を見せる。さらに、一つ、二つと引いていく。全体像が現れないうちに「投票箱!」と声が上がる。
 一昨年12月の衆院選挙の際、投票所となった稲穂小学校の体育館で、鈴木教諭が選管の許可を得たうえで、投票日前に撮った写真だ。子どもたちと選挙の距離が気持ちの上で縮まる。
 選挙権年齢が現行の20歳以上の男女と決まったのは敗戦直後の1945年12月。鈴木教諭は「どうしても欲しかった権利だった」と話し、衆院選挙の投票率の推移を表す毎日新聞掲載の折れ線グラフを映す。20歳代の投票率の低さが際立っている。
 続いて、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正を報じた北海道新聞の記事のコピーを全員に配る。
 「みんなも6年後には投票に行くんだよ」と言うと、軽い驚きが広がる。18歳選挙権への賛否と選挙権を持つうえで何が大事かを問い掛ける。子どもたちからは「18歳はまだ高校生だから、ふざけて投票しそう」「投票率は上がらない」と懸念の一方、建設的な意見が相次いだ。
 「自分たちの未来を決める自覚を持つべきだ」「一人一人が政治についての意識を高めることが大切」「安心した暮らしのために責任を持ちたい」
 稲穂小学校は昨年度、NIE実践指定校となり、以来、高学年を中心に新聞活用に取り組んできた。鈴木教諭は「社会科の場合、教科書の内容と社会の動きに時間的ずれがあります。新聞記事はタイムリーなのでいちばん使いやすい」と指摘する。
 同僚の5年1組の担任、守屋洋佑(ようすけ)教諭(28)は本年度、北海道新聞と全国紙の記事の比較に始まり、グラフや図表の情報をいかに読み解き利用するかといった授業で新聞を活用した。
 子どもたちが取材、執筆して新聞にまとめる「小学生新聞グランプリ」(北海道新聞社など主催)に「エネルギー」を題材に5年生の3クラス全員が応募し、佳作に選ばれた子もいる。
 守屋教諭は「新聞の枠組みや記事の配置を学んだことで、子どもに黒板を使わせるとカラーのチョークを使ったり、枠で囲って分かりやすくしたりの工夫が見られるようになった」と効用を語る。(山本肇)

ページ上部へ