NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

<実践の教室から>12*驚き*現在と未来知る役割

 2014年度にNIE実践指定校となった村立新篠津中学校(石狩管内新篠津村)は、「ふるさと教育」を総合学習の年間テーマの一つに据えている。自分のまちへの理解を深め、誇りを持ってもらうのが目的だ。
 その一環で、冨久尾(ふくお)崇教諭(33)は今月8日、1年生のクラスで新聞記事を活用した授業「ふるさとの課題を知る」を行った。生徒28人は2年生に進級後、ふるさとの良さに気づく取り組みとして、農作業を体験したり、宿泊学習先の札幌で新篠津産のコメを配る「ふるさとPR活動」を行う予定だ。今回の授業はその前段にあたる。

人口推計の新聞記事を使い、ふるさとPRのアイデアを生徒と話し合う冨久尾崇教諭

 「なぜPR活動が必要なのか、生徒がふるさとを真剣に考えるきっかけとしたい」と、冨久尾教諭は狙いを話す。
 授業の冒頭、日本創成会議による将来の人口推計を報じる14年5月9日の北海道新聞と毎日新聞の記事を配った。全国の半数近い市区町村で、子どもを産む中心世代の20~39歳の女性が40年までに半減し、自治体が消滅する可能性を示唆している。
 記事を黙読する生徒の一人が、はっとした表情を見せた。「消滅可能性都市」の中に、新篠津村が含まれているのだ。
 冨久尾教諭は記事を読み上げて要点を確認し、「このままでいいのか、消滅しないように何とかしようよ」と呼びかけた。
 各自が自由な発想でアイデアを付箋に書き付けていく。「イオンを村内に建てて働く人を増やす」「JRの駅をつくる」「新篠津から国会議員を出す」といった内容もあれば、「テレビやラジオでPRする」「村のキャラ『お米ちゃん』をかわいらしくする」「“札幌に一番近い田舎”をPRする」「ロケットを飛ばす」などさまざまだ。
 4、5人のグループごとに付箋を見せ合う。生徒同士の会話と冨久尾教諭との会話が弾み、考えが深まっていく。最後に、各グループのアイデアを大きな1枚の紙に貼り付ける。「村をなくしたくない」とのクラス全体の思いが集約された形だ。
 冨久尾教諭は函館の前任校のころからNIEを実践してきた。「新聞は現在進行形の出来事を伝えてくれ、未来との接点を教えてくれる。教科書にない現実を教えることができる」と魅力を語る。
 「生徒の頭の中に『はてな』『びっくり』を持ってもらいたい」と考え、授業の導入部で新聞を使う。今回も手応えは十分。ふるさと教育の次のステップにつなげる印象的な授業となった。新年度も、人口減少問題やふるさと再生に関する新聞記事が生徒の関心を集めそうだ。(渡辺多美江)

=おわり=

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