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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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個性きらりスクラップ 貼って飾って作品に(2の2)*読み書き 力が向上

 「新聞スクラップ」作品には、A2判から模造紙程度の大きな1枚の紙に貼って作る作品(以下「1枚タイプ」と呼ぶ)と、ノートやスクラップ帳の各ページに貼って作る作品(同「ノートタイプ」)の二つに大別される。ともに作り方に決まりはないが、選んで切り抜いた記事や広告を貼り、自分の思いや感想を書き添え、シールやテープで装飾することなどは共通している==。
 作業としての新聞スクラップの特長は取っつきやすさ。新聞を読むのに慣れていない子供でも取り組めて達成感が得られる。
 作品作りの過程で感想や要約を書くには、記事をきちんと読まなくてはならず、読む力や書く力の向上が期待できる。

*日数かけて こつこつ*ノート型

 ノートタイプは市販のノートやスクラップ帳を使い、1日1ページといった具合に何日もかけこつこつ作るのが一般的。1ページに切り抜きとその要約、作り手の感想・意見を書く。自分で調べたことを書いたりイラストを添えたりするなど工夫次第ですてきな作品になる。
 テーマを決めずその日ごとに気に入った記事を選んでもいいし、「明るい話題」「季節感のあるもの」「環境問題に関するもの」などテーマを決めてもよい。冬休みや夏休みの自由研究に取り組んでもいい。基本は個人で作るが、学級内で1人1ページずつリレーして作っていく方法もある。道北と十勝管内では毎年、小中学生を対象にコンクールが行われている。


*道北のコンクール ノート中心*10カ月続けた力作も

勉強ノートサイズから大判まで、思い思いの工夫が詰まった作品が並んだ審査会=昨年10月2日、北海道新聞旭川支社

 道北地方の教職員で組織する北海道NIE研究会道北支部が主催する「道北小中学生新聞スクラップコンクール」は2011年、ノートタイプを対象に始まった。6回目の昨年は小学1~3年について1枚タイプも対象になったが、310点の応募の大半はノートタイプだ。
 昨年10月2日、北海道新聞旭川支社で開かれた審査会には、見て楽しく読んで感心する作品が並んだ。過去10カ月間、新聞休刊日を除いて毎日、気になる記事を切り抜いて感想を記入し続けた小学2年生には、審査にあたった同支部の菊池安吉支部長(旭川市立神居東中校長)らから「よくこれだけ続けた」と感嘆の声が上がった。
 プロ野球日本ハムファイターズの記事を集めた小学4年生のほか、大相撲の記事ばかり集めた作品などでは、好きなテーマについてどんどん考えが深まるのが見てとれる。新聞5紙の4~8月の毎月1日の朝刊1面の記事を「1日の1面」としてまとめた中学2年生もいた。


*最優秀の旭川東光小・押切君*卓上四季の人物に着目

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 「第6回道北小中学生新聞スクラップコンクール」の小学4~6年の部で最優秀賞に選ばれたのは、押切優君(旭川市立東光小5年)の作品=写真=。
 押切君は、北海道新聞朝刊1面のコラム「卓上四季」のうち人物が登場する記事を切り抜いた。各ページに「今日のこの人この一言」と題して記事を貼り付け、たとえば画家のゴーギャンならば「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」とコラムの一文を抜粋して紹介している。
 さらにそれぞれに付けられた似顔絵が目を引く。インターネットや本で肖像画などを調べて描いたもので、押切君が考えた人物の特徴がよく伝わってくる。夏目漱石や昭和天皇など切り抜いた顔ぶれも多彩だ。読後の感想も含めて、単なるコラムの紹介を超えた「人物名鑑」になっており、審査員の先生たちをうならせた。


*道内の草分け 十勝管内*開催は21年目に

昨年度の中学2年の部の入賞作品。手前2冊が最優秀賞の藤岡茉衣さんの作品

 道内で早くから新聞スクラップ作りに取り組んでいるのが十勝管内だ。同管内の教職員で組織する北海道十勝新聞教育研究会(中村宏喜会長)主催の「全十勝小中学生新聞スクラップコンクール」は本年度で21回目を迎えた。毎年多くの作品が寄せられている。
 コンクールは1996年度に始まった。管内の学校では当時、かべ新聞や学級新聞作りが盛んに行われていたが、同研究会では子供がもっと深く新聞を読むことも必要だと考えた。コンクールは社会に関心を持たせ、思考力や判断力、表現力を育てる狙いだ。
 作品はスクラップ帳やノートにまとめたものが多く、昨年度は240点が寄せられた。記事の切り抜きがページごとに貼られ、要約や感想、見出しが添えられている。子供が記事の内容について独自に調べたことなども書かれている。
 同研究会の阿部栄一事務局長(十勝管内豊頃町立豊頃小教頭)は「最初は面倒くさがっていた子が、やっているうちに熱中してくることが多い。慣れてくると記事を見つける楽しさ、伝える面白さが分かってくるようで、新聞を読む習慣にもつながる」と語る。
 藤岡茉衣(まい)さん(帯広市立川西中3年)は昨年度、切り抜きをスクラップ帳2冊にまとめ、中学校2年生の部で最優秀賞に輝いた。「それまで気に留めなかったようなテーマの面白い記事を見つけて、新しいことを知るのが楽しい。自分の意見や考えをしっかり感想として書いて、見出しをカラフルにするなど楽しく伝える工夫をした」と話す。


*来月帯広で講習会

 新聞スクラップ作りは、夏休みや冬休みに札幌や旭川などで随時開かれる講習会や教室で体験できる。
 これらの講習会は道内の新聞社や通信社でつくる北海道NIE推進協議会や北海道新聞社などの主催。
 本年度は2月11日午後1時から、北海道新聞帯広支社(帯広市西4南9)で開かれるNIE第15回十勝地区・帯広セミナー(北海道NIE推進協議会主催)の中で、1枚タイプの作品を作るワークショップを予定しており、参加者を募集中。無料。希望者は2月6日までに電話かファクスで北海道NIE推進協議会事務局(北海道新聞本社内、(電)011・210・5802、ファクス011・210・5826)へ。

 この特集は記事と写真をNIE推進センターの小田島玲、萩原琢詩、渡辺多美江が、グラフィックを編集本部デザイン班の足立則明が担当しました。

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