「ありがとう」。この言葉は、誰もが良い気分になれる魔法の言葉だと思います。私は今まで、人に良いことをするとその相手から感謝の言葉を言われることが当たり前だと思っていましたが、一人のおじいさんによってその思いは変わりました。
 ある日私は、友人と街で買い物をしていました。階段を下りようとふと横を見ると、目が不自由なおじいさんが白杖(はくじょう)を頼りに階段を下りていたので、私たちも彼のことを心配しながら下りました。
 するとそこには入り口につながる手動ドアがありました。点字ブロックがある側のドアが閉まっていたので、私たちは彼が来るタイミングに合わせてドアを開けました。もちろん彼には見えていないので感謝の言葉はありませんでしたが、その時、私はほほ笑みを感じました。これがおじいさんなりの感謝の仕方なのかなと、なんだかとてもほっこりとした気持ちになりました。