私は野球部のマネジャーを務めていた。選手たちは監督からマネジャーに感謝しろと指導されていた。そのため、私が何かをすると「ありがとう」と言われるのだが、人に言われて出た「ありがとう」という言葉は、本当にそう思っているのか疑問だった。
 そして夏、私たち3年生は引退となり、それから約2カ月後に突然一人の部員から「お守り作りって大変だったんだな」と言われた。その一言はきっと本心だったと思うし、とてもうれしいもので、今まで伝えられた感謝の気持ちの中で一番真っすぐ伝わってきた。でも「ありがとう」とは言われていない。
 人に感謝を伝えるには、本心であることと、それを伝えたいと思う気持ちが大切なのだろうと思った。言葉だけが大切なわけではないだろう。
 私は今、監督、顧問の先生や保護者の方々、そして何より最後まで一生懸命な姿を見せてくれた部員に心からの感謝を伝えたい。