昨年9月の胆振東部地震。初めての経験でもあり不安な思いをした中で、今も覚えていることがある。
 あの日、電気が復旧してまもなく、ほとんど商品のないコンビニエンスストアに昼食を調達に行った。会計中、レジを打つ女性の店員の人と話をした。「自分のことだけでも大変なのに、こんな時にまで働いてくださってありがとうございます」と言うと、その店員さんは「中には商品がないことに腹を立てるお客さまもいらっしゃいます。『ありがとう』と言っていただけると頑張れます」とうれしそうにほほ笑んだ。
 たった一言で、これほど喜んでくれる人がいると知り、私もうれしくなった。わずかな言葉のやりとりだったが、記憶に残る体験となった。「言葉は毒にも薬にもなる」というように、言葉には相手の感情に大きな影響を与える力があると実感するできごとであった。