一番苦手で、少しトラウマになっているのは「走る」ことだ。高校に入学して最初の体育は身体測定だった。中学の頃から吹奏楽部で、もともと運動が苦手な私は、握力もないし、体も柔らかくない。もちろん足も遅いから50メートル走をやると言われたときは憂鬱(ゆううつ)でしかなかった。
 2人一組で同時に測る。ついに自分の番になってしまった。心臓がバクバクしているのがものすごく分かった。普段から運動しているわけじゃないから案の定、転んだ。しかも、ド派手に。おかげで両膝を大きくすりむいた。痛みと恥ずかしさからとても泣きたくなった。
 それだけじゃない、そのときはとても目立つ黄色のTシャツを着ていた。後から聞いた話だと他のクラス、学年の人も教室の窓から見てたらしい。それ以来走るのが怖くていまだに思いっきり走ることができない。ちなみに、傷ははっきりとまだ残っている。