小さい頃は「大人っていいな」と事あるごとに思っていた。休みの日は友人と夜遅くまでお酒を飲んだり、家では好きなことをしている。子どもより自由に時間を使い、宿題だってない。「いいな」とうらやましく思わない方が変だ。
 でも、私たちが学校に行っている間や、家にいないときの大人の行動は分からない。ふと気になって、子どもなりに聞いてみた。すると私が思い描いていた一日とは、まったくちがうルーティンを繰り返し、毎日毎日せっせと働かなくてはいけないようだ。仕事から帰ってくると「疲れた」と一言もらし、ため息をつく。私は普段自由に過ごしている両親との違いに違和感を持った。
 今、私たちは教わる立場。一方、大人はそれを精いっぱい生かしていく立場。私たちが今いる立場は大人になるための通過点だ。理想とする大人になれるように、私はいろんなことを積み重ねて身につけている途中なんだと思う。