ちらりと窓から外を見ると、いつもいる愛犬が消えていた。脱走したのだ。前にもリードが切れて脱走したことがあったが、すぐに帰って来た。だから今回も少し走って帰って来るだろうと思っていた。
 15分くらいたったが、帰って来ない。心配になり散歩コースをたどってみたが、見つからない。「車にひかれたんじゃ」とか最悪の考えが次々と思い浮かぶ。学校に行く時間が迫ってくる。
 その時、妹と母が帰って来た。愛犬を連れて。驚きながら、どこにいたか聞くと、近所の人が保護してくれていたそうだ。愛犬は坂道を駆け上がったりしていたらしく、危ないので自宅で預かってくれたらしい。本当にありがたかった。
 近所の人にケーキを持ってお礼にうかがったら喜んでくれて、私もうれしさと感謝の気持ちでいっぱいになった。愛犬は私の心配をよそに尻尾を振ってケーキを見ていた。