私には一人の友人がいる。その友人とは一度しか会ったことがない。
 出会ったきっかけは、所属していた吹奏楽部での合同演奏会だった。全道各地から高校の吹奏楽部が集まった。その時、私は部長を務めていた。
 そして友人も部長を務めていた。同じ立場であるという共通点をきっかけに知り合った。
 それからその友人と会ってこそいないが、こまめに連絡を取り合った。演奏会やコンクールなど大きい「本番」があるたび、お互い応援の言葉を送り合った。何か壁にぶつかって負けそうな時も「きっとあの子も頑張っているはず」と思えば、乗り越えることができた。同じ土俵で戦うライバルであり、共に支え合う仲間でもあった。
 あの一度の出会いが、私の高校での部活生活を支えてくれた。