私は雨が好きだ。雨の音が好きだ。雨のにおいが好きだ。雨が降れば、私は幸せな気持ちになれる。
 小さい頃から私は、雨が降ると大喜びで外に出てはよく遊んでいた。雨でできた小さな川や水たまりで遊んでいた。一人で何時間もそれを見ていたり、中に足を入れてみたり。何が楽しかったのか、今の私にもわからない。それでも、雨が降る時のにおいや、傘に滴が絶え間なく落ちてくる音が、たまらなく心を躍らせた。
 高校生になってからは親元を離れて下宿生活を送っている。雨が降ると必ず窓を開けて音を聞いてしまう。どんなにつらい時や悲しい時も、雨の音を聞くとなぜか落ち着くのだ。忘れたい嫌なことをかき消してくれるような、そんな気がするのだ。
 晴れの日が好きだ、という人のように、私は雨が好きだ。雨の音が好きだ。においが好きだ。雨の日が大好きだ。