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新学習指導要領の国語教科書 来春から*情報の扱い方 新聞手本に*札幌国際大・高橋教授*「事実を的確に整理 公平性も」

 来春から小学校を皮切りに新学習指導要領が順次導入される。札幌国際大学教授高橋伸さん(55)=国語教育=は「道新でワークシート」の作問者の一人で2011年4月の第1号から続けている。新指導要領に基づく初の小学校教科書が採択されたのを機に新聞学習の意義などを聞いた。(森田一志)

高橋伸教授 たかはし・しん 北海道教育大学札幌校卒業後、同校附属中、札幌市立向陵中などを経て今春から札幌国際大学に勤務。元北海道国語教育連盟研究部長。読書・語彙(ごい)指導などで2016年度札幌市教育実践功労者表彰を受賞した。国語科の授業づくりなどで共著多数。根室管内中標津町出身。

 ――ご自身の研究テーマ「国語科における言語活動の充実」から、小学校の新学習指導要領の特徴をどう見ますか。

 全教科で、「何がわかったか、何ができるか」と「できることをどう使うか」を明確にすることが求められています。また、子ども自身が、学びの見通しや振り返りができるような指導が重要視されています、その学びを学校全体で把握し、学習効果を最大にするカリキュラム・マネジメントが必要です。国語教師としては、国語で教えたことが他の教科でしっかり生かされるようにすることが大切です。

 ――情報の扱い方も明記されました。

 「知識・技能」分野で初めて「情報の扱い方」が設けられました。重要ポイントです。「話す」「聞く」「書く」「読む」のベースを「情報」が支える。言葉もプログラミングもそうです。昔、情報は先生や親が届けてくれた。スマートフォンなどの影響で今は子どもの側に大量の情報があり、どれがいいのか、うそがあるのか分かりません。

 ――小学5年生で記事を「読む」の単元があります。道内公立小の教科書で来年度からどんな記事が出てきますか。

 スポーツ記事が身近なのでしょう。「教育出版」は平昌冬季五輪のスピードスケート女子団体追い抜きの優勝記事二つ(2018年2月22日)を読み比べし、見出しと本文の関係を聞く設問があります。「光村図書」は陸上100メートルの桐生祥秀選手が9秒98の日本新記録を出した記事(17年9月10日)を全国紙と桐生選手の地元の地方紙とを読み比べするものです。

平昌冬季五輪のスピードスケート女子団体追い抜きを取り上げた二つの記事と写真を掲載した教育出版の教科書。それぞれにふさわしい見出しを二者択一で選び、理由を述べるよう設問がある

平昌冬季五輪のスピードスケート女子団体追い抜きを取り上げた二つの記事と写真を掲載した教育出版の教科書。それぞれにふさわしい見出しを二者択一で選び、理由を述べるよう設問がある

 ――新聞が教科書に取り入れられる理由は。

 教科書で情報を扱うには紙同士で親和性がいいのが新聞でしょう。他メディアに比べ信頼性があります。ただ漠然と新聞を読むのではなく、子どもたちが比べ読みし自分の考えを形成していくことが必要です。記事は体言止めが多いですが、事実を的確に整理して書いているので、公平性も伝わります。見出しでは、例えばプロ野球の記事に「ファイターズとライオンズの試合について」はあり得ません。見出しは「究極の要約」と知っていれば、情報編集の作業にも転用できます。

 ――学校によっては朝学習で読書や新聞を読む時間を設けています。

 勤務していた中学では朝の会で、「きょうのニュース」の時間がありました。新聞を読めということ。ワークシートを国語の授業時間に使っていました。高校入試の面接では「気になるニュースは」と試すような質問も出ます。その時、子どもたちが新聞の大切さに気づくのです。

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