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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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教員免許更新 新聞活用学ぶ*新聞博物館が星槎大学講習に協力*教材に被爆写真や見出し川柳*札幌も会場に

 日本新聞博物館(横浜市)は、星槎大学(神奈川県箱根町など)が開設する教員の免許状更新講習で、NIEを多角的に学ぶコースの指導をしている。昨夏から始まり、今年は8月22~24日の3日間、拠点の横浜会場のほか、札幌、富山の2市にも会場が増えた。3会場はテレビ会議システムで結ばれ計47人が受講した。新聞を教材化する手法に精通してもらい、博物館はNIEの裾野拡大を図りたい考えだ。(森田一志)

新聞を支えた技術を博物館内の情報のタイムトンネルを通りながら見学する教員たち

新聞を支えた技術を博物館内の情報のタイムトンネルを通りながら見学する教員たち

 最終日の24日夕近く、新聞博物館の講習会場は、だれもが見覚えのある古い新聞写真がスクリーンに映し出され、首都圏の教員の視線が一斉に注がれた。
 1945年8月、米軍の原爆投下後の長崎市。少年が赤ん坊を背負いたたずむ姿だ。口を真一文字に結んだ表情が痛々しい。講師の関口修司・新聞協会NIEコーディネーター(都内の元小学校長)は少年の心情を吹き出しに書き込んだり、写真から事実関係を読み取ったりする学びを自らの指導体験を交え提示した。
 この授業は小学6年生社会科を想定し、授業の設計図・指導案作りの目標には「記事との対話によって(中略)被害者の立場で戦争について深く考える」と明記した。関口さんには「NIEのために授業をやるんじゃない。新聞を使うとより効果が上がるのがNIEなんだ」という持論があるからだ。
 講習会の最終関門はNIEによる指導案作りのテストだ。そのため直前にはグループごとに分かれた4人が指導案の原案を持ち寄って討論も行い、代表が1点を発表した。
 中学校教諭の1人は「幻のオリンピアン 遺品は語る」の記事を選択した。40年の幻の東京五輪に出場できず戦死した若者がいたことを授業用に組み立てた。別の教諭は「きしむ日韓 韓国客急減」の見出しが付いたニュースを取り上げ、閑散とした観光船の写真から日韓関係の悪化と、日常に及ぼす影響を子どもに考えさせたいとした。締めくくりで幼稚園から高校までの全教諭が指導案作りのテストに挑んだ。

講師の関口さん(中央)は新聞の読み比べを重視。同じ記事でも新聞によって書き方が異なり、その整理もNIEの学習だ

講師の関口さん(中央)は新聞の読み比べを重視。同じ記事でも新聞によって書き方が異なり、その整理もNIEの学習だ

 講習会の初日は、「新聞で遊ぼう」をテーマに、見出しを切り抜いて作る川柳の手ほどきを受けた。2日目は新聞博物館見学で始まり、新聞の歴史や情報化社会の進展を学んだ。座学では元新聞記者の博物館スタッフから新聞を取り巻く環境の変化などを教わった。札幌、富山の両会場は横浜会場と同じプログラムの履修を通じて質疑応答などで交流を深めた。
 横浜会場で受講した川崎市の小学校2年担任、塩谷あゆみさん(32)は「見出し川柳だったら、低学年でも取り組みやすいかも」。また、神奈川県内の私立高男性教諭(55)は「新聞を学校で使う場合は肩肘張らずにやればいいと分かった」と話す。
 一方、北海道新聞の協力で実施された札幌会場で受講した札幌市立小の男性教諭(63)は「地元新聞社の見学など貴重な体験ができた。メイン会場の横浜の中身の濃い情報も得られ、これを少しでも授業に生かしたい」と語った。
 新聞博物館の尾高泉館長は、昨夏の講習会以降「受講した先生方は博物館に生徒たちを連れて来てくれるようになった」と利点を語り、「新聞社の見学とテレビ会議システムをセットにした学習法を各地にお届けできます」としている。
 教員免許は管理職を除き、原則10年の期限が設けられ、更新講習では30時間のうち受講者は18時間を科目選択できる。

◇日本新聞博物館(ニュースパーク)◇
 日本新聞協会が2000年開館。学校教育との連携に力を注ぎ、子どもから大人までの「学びの場」を目指す。メディアの歴史やジャーナリズムなどの資料展示のほか、協会加盟103紙の閲覧、各種体験プログラムも設けている。19年4月にリニューアルされ、入館者は累計100万人を超えた。入館料は一般400円、中学生以下は無料。横浜市中区日本大通11の横浜情報文化センター内。開館は午前10時~午後5時。月曜休館。問い合わせは(電)045・661・2040へ。

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