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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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「まわしよみ新聞」で地域交流*児童生徒と住民 一緒に作成*札幌創成高、上浦幌中央小*記事選び、意見交換

 記事を切り貼りしながら作るまわしよみ新聞は教材としての役割を軸足に学校内で普及してきたが、学校側は子どもと住民との「地域交流」にも利用を始めている。札幌創成高(札幌市北区)や上浦幌中央小(十勝管内浦幌町)では世代を超えた取り組みを試行する。(森田一志)

 まわしよみ新聞は意思や情報伝達のコミュニケーションツールとして、実践には4、5人でグループをつくる。各自が好きな記事や広告を切り抜き、グループ内で選んだ理由を紹介し合う。その上で模造紙に組み合わせて貼り、コメントを添えるなどして壁新聞に仕上げる。大阪在住のまちづくりプロデューサー陸奥賢(さとし)さんが考案した。

出来上がった新聞を手にポーズを取る萬谷さん(右端)と伊藤さん(左端)=札幌創成校

出来上がった新聞を手にポーズを取る萬谷さん(右端)と伊藤さん(左端)=札幌創成校

 札幌創成高は図書委員による体験会を2年前から開催し、学校祭の見学者向けに体験会で作成した壁新聞を展示する。今年は7月10日、約40人が10グループに分かれ、北海道新聞数日分の記事や広告などをはさみで切り抜いた。
 「皆は若いけど、この記事は単語だけでも覚えてほしい」と提言したのは町内会会長で会社経営の萬谷幸夫さん(66)。「人生の先輩」の立場から認知症の人が心身ともに良い状態になるフランス発の「ユマニチュード」という介護法の記事を推奨し、さらに遺伝の法則の「優性・劣性」の表現を誤解の恐れがあるため改めるよう求めた記事などを取り上げた。
 グループのほかの3人は、札幌のテオ・ヤンセン展や米国プロバスケットボールで実戦デビューした八村塁選手の記事などを選んだ。図書委員長の伊藤優里(ゆり)さん(17)=2年生=は「萬谷さんは記事を『役立つ』という視点から選んでいた。さすが着眼点が違う」。
 図書部長の梅津麻紀教諭(41)は「大人が参加して『良かった』と生徒たちは言います。次の地域交流はもっと人に来てもらえるよう頑張ります」と話した。

昨年、上浦幌の夏祭りで行われた「まわしよみ新聞」(上浦幌中央小提供)

昨年、上浦幌の夏祭りで行われた「まわしよみ新聞」(上浦幌中央小提供)

 このほか、上浦幌中央小は昨年まで夏祭りの日に合わせ、まわしよみ新聞の体験を2回行った。地域住民が上浦幌中央小と上浦幌中の運営にかかわるコミニュティースクール(CS)の主催。
 昨年は小3以上の子どもらのほか、地域のお年寄り数人、総勢約40人がグループになり北海道新聞を教材にした。完成作品には熱中症や東京五輪の入場券高騰の記事もあれば、サッカーのイニエスタ選手がJ1神戸に加入する記事には「プレーも早く日本で見たい」の吹き出しもついた。
 ともに参加した大浦和子さん(81)と朝日よう子さん(81)は「私たちの小さいころとは違い、今の子どもはすごい」と当日を振り返り感心していた。
 担当の山科未来教諭(31)は「お年寄りの方々がリードし、井戸端会議のように交流が生まれた」と手応えを話した。

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