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複数記事でテーマ深掘り*初の「切り抜き作品コンテスト」

 気になる新聞記事を複数切り抜いて紙に貼り、自分で調べたことや考えを書き加えて発表作品に仕上げる「新聞スクラップ」。NIE実践教師らの間では以前から知られる取り組みだが、道内では今年、新たに「新聞切り抜き作品コンテスト」(北海道新聞社主催)が始まった。優秀賞作品と作者の感想を中心に、切り抜き作品の可能性を紹介する。(渡辺多美江)

 新たに始まった「北海道新聞 新聞切り抜き作品コンテスト」は中学、高校生が対象。A3判以上のサイズの1枚の紙に、複数の記事を貼り書き込むタイプが対象だ。初年度は札幌圏を中心に応募を呼び掛けた。37点が集まり、優秀賞9点が選ばれた。
 応募作品は、大きな環境問題になっているプラスチックごみやこの夏の道内の猛暑など身近なテーマから、「ストップ戦争」「沖縄・翁長知事の軌跡」など政治・社会の問題まで多彩な内容だった。10月に行われた審査会では「どれも視点やまとめ方など光るものがあり、粒よりの作品が集まった」との評価が聞かれた。
 優秀賞のうち札幌南高1年の上田峻輔さん(15)は解体方針が打ち出された北海道百年記念塔(札幌市厚別区)をテーマに五つの記事を組み合わせた。記念塔のイラストをはめ込んだメイン見出しや、参考書のように記事の要点を添えた工夫が目を引く。「家で新聞は時々読むが、こうして複数の記事を集めて見比べることはなかった。一つのテーマをいろんな視点で見ることができたのは新しい体験だった」と話す。
 同じく優秀賞の札幌市立啓明中1年の岡山知世(ちせ)さん(13)は、小中学生の大きな悩み「重い通学かばん」を取り上げた。テーマにちなんで学用品のイラストを配置し、わかりやすいようにコメントは簡潔で大きな字を心がけた。「道新のウェブサイトにあった作り方を参考に作ってみた。ゼロから作る新聞だと時間がかかるけれど、これなら(勉強などで忙しい)中学生でもできそう、と思った。記事探しなど楽しくできた」と振り返る。

*多角的に物事見る体験*上田峻輔さん(15)=札幌南高1年

 小学生の時、親子スクラップ新聞教室に行ったことがあり、作ったのは久しぶりです。
 百年記念塔の解体方針の記事を読んだ時には「なくなっちゃうんだ。寂しい」と思ったけれど、関連記事を探して読むと経費や危険性などの事情がわかり、解体はやむを得ないと考えるようになりました。
 新聞記事はいろいろな視点で書かれているので、自分も多角的に物事を見ることができると気づきました。普通に本や新聞を読むだけでは得られない経験でした。こうした新聞の使い方や読み方が広く伝わるといいと思います。

*コメント 工夫して短く*岡山知世さん(13)=札幌市立啓明中1年

 小学生の時に「小学生新聞グランプリ」に2、3回応募して楽しかったけれど、とても時間がかかりました。この新聞切り抜きならできそうと思い、ちょうど話題になっていた「置き勉」「重い通学リュック」をテーマに決めました。私の学校では「置き勉」をやっていて、それでもかばんは重いです。
 切り抜きはグラフや写真などがある記事や、面白いと思ったコラムを選びました。コメントはあまり書きすぎてもだめかなと思って、吹き出しにして短くまとめました。わかりやすいと思ってくれたらうれしいです。

*個人で手軽に思考力を養成

 新聞スクラップは、必要な情報を選び取って適切に発信する情報活用能力のほか、思考力、判断力、表現力を養うNIEの重要な取り組みの一つと位置づけられる。これは、2020年度から順次全面実施される新学習指導要領の柱に合致する。また一定の手間暇がかかる壁新聞やグループ新聞に比べて、個人で手軽に取り組めて内容も柔軟に選べることも、授業密度が濃い学校現場になじみやすい。
 道内では北海道十勝新聞教育研究会主催の「全十勝小中学生新聞スクラップコンクール」が23回目の本年度も来年1月25日締め切りで募集中だ。スクラップ帳などノートタイプの作品が対象で「社会科や国語の授業や家庭学習として取り組まれている」(研究会事務局)という。
 「道北小中学生新聞スクラップコンクール」は8回を重ね、北海道NIE研究会道北支部が主催。ノートタイプが中心で、小学1~3年では1枚ものも受け付ける。「スクラップを続けるうち、子供の視点が身の回りから社会的な事象に広がる」と、10月に表彰式を終えた同支部代表の福沢秀・富良野市立樹海中校長は効果を語る。

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