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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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NIE 教職志す学生にも

 教育に新聞を活用するNIEの取り組みが、道内の大学で広がっている。「未知の状況を切り開く思考力・表現力・判断力」の育成を掲げる新学習指導要領の方向性と親和性が高いことを背景に、今年2月に北海道教育大釧路校で、北海道新聞社釧路支社の寄付講座としてNIEの集中講義が行われた。北大でも本年度前期の日程で、地域新聞作りをメインテーマに据えた講義が開設され、学生が実習に取り組んでいる。(渡辺多美江)

*北大*自ら取材 地域新聞で発信

浅川教授の助言を受け、壁新聞作りに取り組む北大の学生ら=6月13日

浅川教授の助言を受け、壁新聞作りに取り組む北大の学生ら=6月13日

 北大では教職単位の講義として、同大大学院教育学研究院の浅川和幸教授が、教育学部で2018年度前期講座に「地域づくり学習論」を開講した。週1回全15コマのうち10コマを北海道新聞NIE推進センターが担当し、壁新聞製作の実習を行っている。
 教育学部を中心に文学部、理学部、農学部から2~4学年の28人が履修。学生たちは実習の前に浅川教授から「情報過剰の問題を抱える日本社会では、市民が自ら調べ発信することがシティズンシップ教育としても重要」など教育論の講義を受けた。教育的見地から地域新聞作りの重要性を理解した上で4班に分かれ、10週間の作業に入った。
 編集会議のテーマ選びでは「農業と福祉」「道の駅」「札幌の夜景」「通信制高校」「北大生の自転車マナー」などさまざまなアイデアが挙がった。しかし、いざ下調べや取材にあたると「取材先と連絡がとれない」「テーマが広がり過ぎる」「地域との接点があまりない」など大小の障害が続出。編集長を中心に情報交換や軌道修正しながら、少しずつ紙面イメージを固めている。
 6月13日、実習6回目の各班の中間発表で、ある班は当初決めていたテーマが「どうしても地域新聞になじまない」と判断し「テーマを『札幌の銭湯』に変更した」と報告した。「北区の銭湯が40年間で8カ所に減った」など早速、めぼしい情報を得て活気づいた。
 別の班では北大構内に近く開店するコンビニについて、教員や学生の声を取材した。編集長の教育学部3年の高橋快旺(かいおう)さんは「実際に取材してみると、話が膨らんで面白い。紙面構成を変え、トップ記事にすることにした」と話す。「聞いてみなければわからないことがある。こういうのがいい。授業を受けて良かった」
 一方で「取材がしんどい」「完成が間に合わないかも」という声もある。浅川教授らは「すべてかゼロかの選択でなく、実情に合わせて程よく修正する力の育成につながれば」と考えている。
 学生たちの地域新聞はB1判程度のサイズで、7月18日の完成後は学内に展示される予定。
 浅川教授は「北大生が教師として最初に赴任するのは地方の場合が多い。その時に地域新聞づくりを通じて生徒とともに地域を考える意義は大きい」と講座への期待を語り、次年度以降の継続も見据えている。

*道教大釧路校*授業での活用法 集中講座で学ぶ

まわしよみ新聞の実習で、作品を合評する道教大釧路校の学生たち=2月13日

まわしよみ新聞の実習で、作品を合評する道教大釧路校の学生たち=2月13日

 道教大釧路校での集中講義は2月13~15日の3日間、「道新NIE寄付講座」として開設された。選択科目で1、2年生16人が履修した。
 「主体的・対話的で深い学び」「社会に開かれた教育課程」などを掲げる新学習指導要領と新聞との親和性の高さを学生に認識してもらい、将来の教師としての資質向上を図る狙い。
 北海道新聞NIE推進センターが作成した1日5コマ、計15コマはほとんどが実習で「新聞スクラップ」「はがき新聞作り」「インタビュー」など。「実家で新聞をとっているが、あまり読まない」という学生が多いため、初日は過去3日分の新聞を読むことから始まった。
 学生はじっくり新聞をめくって気になる記事に付箋を付け、選んだ記事を使ってグループによるまわしよみ新聞やスクラップ新聞作りを実践。NIEに詳しい社員が講師を務め、日本新聞協会認定のNIEアドバイザーを務める教師が模擬授業を行った。
 学生は取材や原稿執筆の実習も体験し講義後のリポートには「新聞が身近になった」「授業で使いたい」などの感想が並んだ。
 講座の運営を担った釧路校の内山隆教授は「授業や学級経営などさまざまな場面で活用できる内容。学生はNIEの有効性を実感できた」と手応えを語った。
 道教大では、ほかに旭川校の学生に対し、元NIEアドバイザーが2013年度から毎年、単発のNIE講座を実施しており、本年度も今月15日に行った。

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