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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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NIEセミナー本年度日程終了*新聞活用 学びの場で再認識

2017年度NIEセミナーで行われた公開授業

 新聞を活用した授業の研究発表の場であるNIEセミナーが、2017年度の全日程を終えた。本年度は9カ所で行われた地区セミナーと、札幌で行われた全道規模の北海道セミナーの計10回開かれた。主催する北海道NIE推進協議会(新聞社・通信社13社加盟)の高辻清敏会長に、地区セミナーでの公開授業を中心に振り返ってもらった。(森田一志)

高辻清敏氏

*講評*北海道NIE推進協議会会長 高辻清敏
*地域の出来事 発展的教材に*先生やアドバイザーの「協働」活発

 未来に生きる子供たちのため2020年度からの新学習指導要領が登場し、教育が知識注入型から21世紀を生きる力を養う方向へ大きく変わろうとしている。その中で、生きた情報としての新聞活用の有効性が認知され意義が見直されてきた。

 17年度のNIE地区セミナーは9地区で公開授業と実践発表が開催された。セミナー開催校別に公開授業を振り返る。

 根室高は地域に関係する「樺太アイヌの強制移動」を題材として、「なぜ強制移動させたか、人権問題では」と論議した。北見市立北中釧路市立鳥取中はそれぞれ食料基地としての北海道農業の行方、輸送の手段のJRの問題、環太平洋連携協定(TPP)の影響などの問題と解決法を取り上げた。音更町立緑南中は憲法の基本的人権の視点から買い物弱者の支援策を考えた。

 函館市立亀田中は新聞データベースで記事や見出しに使われた国名の数の20年間の推移を調べ、統計の変化から背景の推察・分析など、因果関係の追及と函館の将来展望を探った。札幌市立陵北中は「消える村議会」で過疎に伴う議会の役割と住民の生活に視線を向けた。日高町立門別中は「近代都市づくりと歴史的な景観の保護」の対立を巡って討論した。旭川市立神居東中は市民の政治参加、直接請求権の意義を問う記事に着目した。登別市立富岸小は国語の学習で複数紙を使い見出し、リード文、本文などの工夫を発見し「まわしよみ新聞」作りに挑戦した。

地域の特色を新聞記事から探した日高管内日高町立門別中学校の公開授業=2017年10月16日

地域の特色を新聞記事から探した日高管内日高町立門別中学校の公開授業=2017年10月16日

 新聞は教科書と現実社会をつなぐ窓。本年度のセミナーの特色は表面的に新聞を使うのではなく、教科書で知識・技能を習得し、身近な情報満載の新聞を発展・問題解決型学習にフルに活用した。子どもにつけたい学力を想定し、それに見合った新聞教材の選び方と活用法の設定などに優れていたと言える。

 各地のセミナーは地域の先生方のネットワークや協議会のNIEアドバイザーなども加わり実施され、協働作業での実践例が多かった。この「協働」はグループ討議にも反映され、子どもたちは地域の実態を探り問題解決に向け取材・調査し自分事として解決策を練っていた。協議会はNIEの活用に役立つ事例満載の「実践報告書」を毎年発行しており、テキストとして活用してほしい。

 一方で新聞社にはもっと地域の魅力を発信してほしい。今を生きる人たちの活動や身近な写真入りの記事などが、ひいては子どもたちが夢や希望を見いだしていくきっかけになると確信している。

*公開授業*タイムリーな記事で授業テーマを深掘り

 本年度の公開授業9校の内訳は中学校7校、高校と小学校は1校ずつだった。昨年度に比べ、中学校は6校増えた。一方で高校は2校、小学校は3校減った。教科は社会(高校は地歴、公民)8、国語は1。社会科のテーマは日ロ関係、農漁業の振興、地元の大型店閉店など道内地域の時事問題があり、タイムリーな新聞教材で内容の深掘りをした。

 新聞教材の使い方ではデータベースを効率良く検索する手法が目を引いた。児童に経済紙を含めた複数紙を無作為に選んで読ませ、理解力を伸ばす授業もあり、関係者は興味深く見学していた。

 また昨年8月19日、北海道新聞本社(札幌市中央区)で開かれた北海道セミナーでは、新年度以降の道徳の教科化と子どもの学力の伸ばし方についての講演があった。

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