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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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新聞取り入れた授業 初心者へ助言(2の1)*楽しんでスクラップ作り*音更町立音更小*記事の感想を自由に記入 正確に読み取る力を養成

 本年度から小学校の新学習指導要領が完全実施され、新聞を取り入れた授業の広がりが期待されている。一方で「何をしたらいいのか分からない」とひそかに悩む先生もいるはず。そこで、実践1~3年目の道内の教諭に「初めてのNIE」体験を振り返り、効果的だった学習法を紹介してもらった。スクラップ作りやワークシートの活用など先生、児童の双方が初心者でも無理なく新聞に慣れ、継続できる内容になっている。(舩木理依)

玄関に設けた新聞コーナーに立ち寄る児童。実践開始にあたり、山田教諭(中央)がいち早く整備した

玄関に設けた新聞コーナーに立ち寄る児童。実践開始にあたり、山田教諭(中央)がいち早く整備した

 「以前はテレビ欄しか見なかったけれど、今は全部のページに目を通している。子どもも分かりやすい記事がけっこうあるんです」と話すのは、十勝管内音更町立音更小6年の伊藤友菜さん。昨年から担任の山田圭介教諭の新聞を使った授業を受けている。
 同校は2008年からNIE実践校で、当時5年生の担任だった山田教諭は、初めて活用に取り組んだ。

*玄関にコーナー
 「まず新聞に親しむ環境づくりを」と、秋からの提供開始を待たず4月に玄関に専用コーナーを設け、同僚から募った新聞などを置いて児童の目に触れるようにした。
 毎年必ず行うのがオリエンテーション。初めて受け持つクラスでは新聞コーナーについて説明するほか、活字を切り取って文を作ったり、記事を読み比べて興味を誘う。
 最も成果を感じた実践は、スクラップ作りだ。初年度の5月から週1回「朝学習」の時間を使い、同教諭が用意した記事を配布して児童が感想を書いていたが、次第に子ども自身が記事を選ぶ形へ。
 台紙は「記事の内容」「自分の考え」を記入する欄やけい線入りのものを用意したが「絵などを描いて楽しみながら仕上げる子どもが増え『枠や線はじゃま』と言われて白紙に統一しました」と同教諭は苦笑する。
 スクラップは紙面の構成を知り、読解力をつけるのにも役立つ。一般に記事は数段にわたり不定形で書かれているため、途中で別の記事につなげて読んでしまう子どもも多いが、きちんと切り取っていれば正確に読み取っていることにもなる。
 同教諭の調査によると、実践初年度の5年生はクラスの4割が「週に2、3回」新聞を読んでいたが、6年時には8割弱が「毎日読む」と答えている。
 こうした結果を踏まえ、昨年度は新聞作りや報道を主題にした討論会と合わせ、段階的に記事活用を進めた。
 4月には社会科の授業にチラシや広告を取り入れ、その後マンガ→コラム→地元の関心も高い環太平洋連携協定(TPP)関連の記事→表やグラフ→政治や経済、大きな事件事故の記事…と、読み取る内容の難しさをアップ。児童は文章の分からない部分を写真から情報を得て補い、自然と教え合って読むようになっていった。

*互いの意見尊重
 同時に、クラスの雰囲気も変わってきた。「記事を通じて多様な意見に触れる機会が増えたためか、自分と違う考えの人に反感を抱くのではなく、互いに尊重する空気が生まれた」と山田教諭は言う。
 児童の一人、不破悠(ゆうと)くんは自分のこんな変化を感じ取っている。「外国で起きている戦争も、もしかしたら自分の生活に影響してくるかもしれない。今はそんな気持ちで新聞を読んでいます」。

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