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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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新学習指導要領完全実施 今後の新聞活用は*社会貢献意識 育てよう*日本NIE学会 小原会長が講演*地域に根ざした教材を

「新指導要領でNIEに求められているのは、社会貢献意識を育てること」と話す小原会長

「新指導要領でNIEに求められているのは、社会貢献意識を育てること」と話す小原会長

 本年度、小学校で完全実施された学習指導要領に数多く盛り込まれている新聞活用の狙いや展望について、小原友行・日本NIE学会会長(広島大大学院教授)が14日、札幌市で講演した。「子どもに感動を与え、社会貢献の意識を高めることが期待されている」とした上で、地域に根ざした教材開発や生涯学習の分野での実践拡大も提言した。(舩木理依)

 東日本大震災が起きた今、NIEには新たな定義が必要になっている。
 新聞記事を授業で使い、特性を活用して活字離れを食い止める、情報読解力を高めるという従来の目的に加え、感動や夢、志を与える取り組みを通じて社会貢献に役立てる、という定義だ。

*学校教育は通過点
  さて、本日の大きなテーマは新学習指導要領をNIEの視点からどう読み解くかだ。指導要領は子どもにとって「粉ミルク」のようなもの。その中で求めているのは、子どもが成人し、親になった時に必要な「生きる力」、つまりミルクに含まれる「栄養」だ。
 具体的には、主体性や自立性、協調性、人間関係形成力などを指す。社会やコミュニティーをよりよいものにするため、課題を解決していく力も含まれている。
 「生涯学習の基盤づくり」も盛り込まれた。学校教育が終着駅ではなく、大人になれば新聞やメディア、生涯学習施設で自分で学ぶことを求めている。
 さらに、全ての学習の土台となるリテラシーも求められている。「知る」「分かる」にとどまらず事象の背景を熟考し、それに対する自分なりの意見や考えを表現しながら、よりよい社会を実現しようという力だ。

*ウェブで情報発信
 こうした学力を育てる具体的な方法の一つとして、「新聞の活用」が盛り込まれた。昨年行われた全国世論調査でも、9割の人が「NIEに期待する」と回答した。
 最も評価されたのが記事の内容を討論する活用法で、「社会に関心を持つようになる」「読み書きの力がつく」などの効果が期待されている。
 今後は、新指導要領に照らした新たな新聞教材の開発がNIEの大きな課題だ。
 「出会い、発見、感動」が生まれる記事選びや、子どもが地域に密着した課題を発見して「もっと知りたい」とわくわくするような教材を用意すれば、情報を取り出す技能や、判断力が育っていく。
 子ども同士のコミュニケーションを重視しながら学ぶ方法も作りあげていく必要がある。学級、グループという集団の中で情報を読み比べたり、問題意識を持つ学習や、投稿、スピーチなどの活動を進める方法もある。
 最後に、北海道の実践者へいくつか提言したい。
 一つは若い世代を育てていくこと。それには、NIEを通じて変化していく子どもたちと教師が出会う機会をつくることが必要だ。また、カリキュラムや授業の開発を進め、ウェブなどで積極的に発信してほしい。NIE実践校に指定されていないが、こつこつと新聞活用の努力をしている人もいる。予算が許すなら、こうした人たちを奨励することも大切だ。
 既存のNIE地域研究会などのネットワークを使い、博物館や美術館、図書館といった施設を中心とする実践も可能だ。家族やPTAなども巻き込み、生涯学習の分野へも取り組みを広げてほしい。

<略歴>
  こばら・ともゆき 1951年広島県生まれ。広島大教育学部卒、同大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程修了。現在は同大学院教育学研究科教授、広島県NIE推進協会長。2010年、日本NIE学会会長に。

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