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被災者の痛み共有*横浜の小学教諭が報告*同世代の話題題材/「悲惨さ強調」懸念も

 津波や原発事故など、深刻な被害をもたらした東日本大震災。子どもが被災者と痛みを共有し、「自分に何ができるか」を考えるためにも、新聞活用の必要性は高い。一方、事態の悲惨さから記事選びに悩む教諭も多いのが現状だ。4月末に横浜市で開かれた日本NIE学会のセミナーでは、アドバイザーの深沢恵子教諭(横浜市立本町小)が、避難所で新聞を作る小学生の話題から、責任感や新聞の役割を考えた授業の様子を報告した。(舩木理依)

「みんなと同じ小学生が、新聞記事になっています」と語りかける深沢教諭。子どもたちは「自分だったらどうしただろう」と意見交換した

「みんなと同じ小学生が、新聞記事になっています」と語りかける深沢教諭。子どもたちは「自分だったらどうしただろう」と意見交換した

 授業は4月中旬に実施。気仙沼市内で人々を元気づけようと壁新聞を発行する吉田理紗さん(南気仙沼小2年)について書いた「ファイト新聞 小学生編集長が避難所にぬくもり」(4月17日スポーツニッポン)を、5年生の道徳で使った。
 「震災直後に授業をすることで、悲惨さを強調する結果にならないか」と同教諭は迷ったが、「大量の報道が一気になされ、いずれ子どもは慣れ切ってしまう。今こそ情報を整理し、考える機会に」と決断した。
 授業ではまず「避難所生活が続いている被災地の方々は、どんな思いでしょう」と児童に質問。「不安だと思う」「悲しみでいっぱい」などの答えが出ると記事を添えたシートを配り、児童が心に残る言葉や行動に線を引いて意見交換した。
 「自分だったら生活や家族のことで精いっぱいだと思う。心の強さをまねしたい」「避難所を離れてからも発行を手伝う責任感がすごい」「新聞は役に立つことが分かった。ぜひ読んでみたい」など、自らと結びつけて考えた声が出てきた。
 授業後は自発的に震災に関する記事の切り抜きを持ってくる子どもや、節電に努める児童が出てきたという。
 「実感を持って読むには同世代の話題が最適。今後は復興への長い道のりを見続けるような授業を考えなくては」と同教諭は話す。
 こうした震災に関する授業を支援しようと、日本新聞協会は6月末、ガイドブック「大震災と新聞授業(仮)」を出版予定だ。被災者の思いや支援のあり方、エネルギー問題などの記事を挙げ、アドバイザーらによる指導案やワークシートを約30ページ掲載。来年は復興に関する記事の活用をまとめた第2弾も製作する。

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