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東京・特別支援学校の実践*「個別学習」で活用*院内に新聞掲示*ルビ付け要約

大塚恵教諭

大塚恵教諭

 今大会で初めて、特別支援教育での取り組みを発表したのは、一昨年から実践校となった筑波大付属桐が丘特別支援学校(東京都)の大塚恵教諭。隣接する「心身障害児総合医療療育センター」内にある同校の施設併設学級で、個々の子どもの状態に合わせた教材として新聞を取り入れている。
 同学級で学ぶのは、肢体不自由のために同センターへ入院し加療中の小中高校生。常に40人ほどが在籍するが、期間が半年未満の子どももいる。障害の度合い、学力、入院前の学校で使っていた教科書もそれぞれ異なる。
 こうした実態と、文科省が特別支援教育の現場に義務づける「個別の指導計画の作成」に沿い、同校は必要に応じ「個別学習の時間」を設定。大塚教諭はこの授業で記事を使おうと考えた。
 まずは新聞に慣れる環境をつくるため、同センター1階の壁面に毎日記事を張り出した。拡大コピーした記事と、ルビ付きの要約文をA3判にまとめる。最近は子どもが「今日は何?」「こんな話を読みたい」と声をかけてくるようになった。

*ルーペ用意

 授業では昨年、視覚障害のため学年に合った勉強が難しい中学2年生に新聞を活用した。ルーペを用意して記事の要約文と写真の情報を読み取らせ、その後同教諭が記事などを音読し、感想や意見を述べさせた。
 生徒の興味は次第に記事中の地名へと広がり、地図も見ながら「なぜ猛暑の話には、いつも埼玉県熊谷市が出てくるの」などの質問をするようになったという。
 東日本大震災の際に入院していた中学3年生には、避難所でも前向きに暮らす子どもたちや、ライフラインが復旧する様子を記事で読ませた。生徒は被災地に住む祖父を案じて落ち込んでいたが、同教諭は「正しい情報を得て落ち着きを取り戻した」という。

*増える交流

 本年度からは小学部でも、朝の会で日直が記事を読み内容を紹介する時間を設けている。話題は児童の近況や出身地を参考に大塚教諭が選ぶ。高学年が低学年に漢字の読みを教えるなど交流も増えた。
 障害のある子どもたちは社会的な経験が不足しがち。詐欺などの被害を防止したり、福祉に関わる法律・制度を知るためにも「客観的な報道から社会の状況を理解し、自分にどう関わるか判断する力をつけてほしい」と同教諭は期待している。(舩木理依)

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