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記事活用し討論会 視野広がり達成感(2の2)*福井の小学校*原子力の利用 テーマに

 道外では福島第1原発の放射能漏れ事故を受けた討論会の授業も行われている。

*家族からも感想

 国内最多となる14基の原発を抱える福井県。6月末、敦賀原発から50キロ圏内にある坂井市立春江小6年1組は国語科の授業で、今後も原子力エネルギーを利用すべきかどうかをテーマにした。
 担任の佐藤美紀代教諭は5月から、総合学習などで原発の基礎知識や賛否の情報をバランスよく吸収させようとした。まず北陸電力の「エネルギーワークブック」で火力、水力、原子力それぞれの発電方式や燃料の海外依存度を学んだ。
 毎日小学生新聞の記事「僕のお父さんは東電の社員です」(5月19日)も使った。電気の無駄遣いが原発を造るきっかけで、責任はみんなにある-とつづった小学生の手紙を紹介した内容だ。
 情報の幅を広げるため「ファミリーフォーカス」も導入。福井新聞の連載「複合災害 原発事故『フクシマ』の今」(6月1~15日)第1回を読み、暑い中、マスクと長袖の服を身につけて登校する小学生の写真や、県外への転校を悲しむ声、娘の健康を案じる父親の言葉に注目させた。
 家族にも感想を書いてもらった。ドイツが脱原発を決めた記事を挙げながら「他国から電力を買う方法もある」などの意見も寄せられ、児童の視野は国外へも広がった。

*自ら資料を準備

 これを踏まえ、児童は論拠となる記事などを自ら準備。討論会は肯定派10人、否定派9人のほか「両方の意見を聞く班」9人(肯定4、否定5)の構成でスタートした。
 家族が北陸電力で働く肯定派の児童は、経産相が原発の再稼働を要請した記事などを基に「二酸化炭素を出さない原発は温暖化防止にもなる。なくせば電気代も上がる」と主張。
 否定派からは、東日本大震災の報道写真集を示しながら「放射能は怖い。チェルノブイリの事故で大勢ががんになった」といった意見が出た。
 続いて「聞く班」も参加し「事故処理にはロボットを使えば大丈夫」「放射能の汚染自体は止まらず、問題の解決にならない」などと意見を戦わせた。
 最後に「聞く班」の考えを再確認すると、肯定の2人が否定に変わっていた。
 佐藤教諭は「自分たちも原子力を使っている現実を見つめ、多様な意見を聞いて考え抜いた結果。『また討論会をやりたい』という声も多く、達成感が大きかったようです」と手応えを感じていた。

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